さて、みんなはマッチングアプリをやったことがあるだろうか。今や恋愛、結婚のために広く浸透しているマッチングアプリだが、よくニュースなどで取り上げられているように、様々な問題点がある。今日は序章としてそのことを取り上げようと思う。今回は序章で、今後の記事でも時々取り上げる予定だ。
まず、マッチングアプリが浸透したことで、世の男女の恋愛や結婚の手助けになっているのだろうか。もちろん利用者が多数いる中で、マッチングアプリのおかげで恋人ができたり結婚できた人もいるが、実際には、トラブルにあったりイヤな思いをした人の方が大半ではないだろうか。正確な統計を取るのが難しいが、各所の情報を見る限りそういった人の方が圧倒的に多い。一例として、マッチングアプリを使って一度も女性と出会えなかった割合が、男性利用者では全体の3割に及ぶという。
それでは、現状のマッチングアプリがどのようなものなのかを、おさらいしておこう。各アプリによって仕様は異なるが、概要として簡潔にまとめる。
まず男女共、登録してプロフィールを掲載する。利用料は男性はほとんど有料、女性は無料か低料金。ただし婚活系は男女同額位のこともある。プロフィールは、名前、年齢、趣味、仕事、収入などの基本情報の他、写真を掲載する。そして検索画面で条件検索をした後、相手のプロフィールと写真から気に入った相手にメッセージを送ったり、「いいね」などの好意を伝えるリアクションを送る。それを受け取った相手が同じリアクションを返せばマッチングが成立し、その後のメッセージ交渉次第で実際に対面で会う。概ねこのような流れだ。
続いて、現状のマッチングアプリで起こっている問題点を項目立てて挙げていこう。
①利用料金の男女差
②時間を膨大に消費する
③充実した恋愛や結婚に繋がる人よりイヤな思いをする人の方が圧倒的に多い
④結婚する気がない遊び目的の人の増大(婚活系アプリの場合)
⑤パパ活の温床
⑥盗難、暴行、美人局などの犯罪行為トラブル
今回は序章なので、上記項目を一つずつ深堀りはしない。また、マッチングアプリの問題といえば、⑥の犯罪に繋がる内容を想像する人が多いのではないかと思うが、問題全体から見た件数でいえば、他の項目よりは少ないのではないかと思う。①~⑤の問題がより中心的な問題だと考えられる。
以上は起こっている問題の現象であるが、これらの問題と関わる本質的な問題を二つ挙げる。
(1)マッチングアプリは、それぞれの人が持つ個性と魅力を見えなくさせ、破壊する
人間が持つ個性や魅力は、実に多彩だ。世間というのは、様々な能力を持つ人達が力を合わせて形成している。そして、交際したり結婚した時に重要な、その人の“雰囲気”というものは、絶対にネット上のプロフィールや写真だけではわからない。マッチングアプリは、その最も重要な“人柄、雰囲気”という情報を得ることができずに相手を選んでいるのである。非対面式のネット上の出会いなのだから当然ではあるが、このシステムで自分に合う人を探すというのは、目隠しをしたまま飛んでいるスズメを手で捕まえようとしているのと同じだという意識は持っておいた方が良い。
このシステムで、もう一つ大きな問題点がある。世界中の人間で、顔も良い、スタイルも良い、お金持ちといったハイスペックでモテモテの人というのは、ほんの一握りだ。ほとんどは、ごく平凡な人間である。このブログ作者のイキルちえもそうだ。一握りのハイスペック人間は別として、多くの人(男女共)はマッチングアプリの使用で、
・待ってもメッセージが来ない
・ブロックされる
・やっと対面で出会っても交際を断られる
このような負の体験を重ねることになる。これらの行為は、相手の写真やプロフィールという表面的な情報と、数回のメッセージだけで安直に行われており、その人が持つ個性や魅力、雰囲気といったものは加味されていない。
・メッセージ、リアクションが来ない
・アプローチしても何も起こらない
・コミュニケーションを強制的に断たれる
・自分の魅力を伝えられない
・時間とお金を際限なく消費していく
これらをひたすら何度も繰り返すことは、大げさではなく、人格破壊といえるものだ。心理的に大きなダメージを負ってしまう。
(2)人間の欲望はキリがない。マッチングアプリは、その欲望を増長させる。
人間の欲望というのはキリがない。(これは人生を豊かに生きる上で、常にキモに命じるべきことだ)
あれが欲しい、これが欲しい、もっとおいしい物が食べたい、もっと長く寝ていたい、仕事はもっと楽をしたい、もっとかっこいい(かわいい)異性と付き合いたい・・・等。これらの欲望は誰でも持っていて、手に入るならもっと手に入れたくなる。
しかしマッチングアプリは、自分の欲望を自制する必要がなく、好きなように異性を探してひたすら求めることができる。もっと良い人、もっと恰好良くてお金持ちの人、もっと自分に合う人・・・ひたすら検索して探し回る。少しでも気に入らない相手はやり取りを途中で放棄しても、義務も責任もないので、人を大切にしようとする倫理感はどんどん失われる。
この結果、どうなっているだろうか。出会えない、ミスマッチ、適当な遊び相手にしかならない、ヒマつぶし、体の関係のみ、パパ活の横行・・・まさに無法地帯である。
以上が本質的な問題の二つである。
一応補足するが、マッチングアプリは、種類によってシステムは異なり、上手く使えば良い相手と出会うことは可能である。ただしほとんどの場合、平均的な一般人にとっては、マイナス要因の方がはるかに多いという話である。これらのことを念頭に置いて、イヤな思いをしないように使っていただきたいものである。
(作・イキルちえ)
こちらも合わせてどうぞ→<このブログの紹介>
その2はこちら→<マッチングアプリの問題点(その2)>
その3はこちら→<マッチングアプリの問題点その3(パパ活女性の大量発生)>
その4はこちら→<マッチングアプリの問題点その4(ブロックという行為)>