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子どもに問題が起こった時、どういう視点で考えれば良いか(育児、子育て時の親の心理)

 さて、みんなはどれ位先のことを見据えて物事を考えることができるだろうか。今日の記事は、育児や子育てをする親の側に立った心理状態を中心に、子育ての考え方を提示していく内容となっている。かなり長い記事で読むのにエネルギーも要するかもしれないが、それに見合うだけのものは提供できると思う。後半部分では、実際に子どもの問題行動を例題に挙げた上で、子どもとの会話をどう進めていけばよいかの具体例も記述しているので、ゆっくり最後まで読んでいただければと思う。

 

 育児や子育ては様々な出来事が起こる。特に子どもが小さいうちは、その日々はジェットコースターのような目まぐるしさだったり、嵐の中を素足で全力疾走するような無我夢中さも経験するだろう。そんな時は誰でも、冷静に落ち着いて物事を判断することが難しくなり、時には感情的になってしまうこともある。

 それを踏まえて、以下に二つ例を挙げてみよう。

1)一つ目の例

①子ども3歳

・食べ物の好き嫌いが多く、なかなか食の幅が広がらない。

②子ども8歳

・算数の引き算がなかなか覚えられず、毎日の宿題で苦戦中。

③子ども15歳

・中学の部活に夢中になり過ぎ、勉強がおろそかになっていたため、高校受験に苦戦する気配。

④子ども17歳

・大学受験に向けた準備は順調に進んでいるが、兄弟との仲があまり良好ではなく、ケンカが多い。

※大学卒業後、無事就職。

 

 この例は、それぞれのライフステージでいくつかの局面は訪れているものの、多くはどの子どもにも起こり得るようなものだ。よほど無茶苦茶な対応をしない限り、子どもの人生に大きな影響を及ぼすようなものはないと言える。(例えば、②の子どもが8歳で算数の引き算に苦戦している時に、毎日のように子どもを怒鳴りつけながら宿題をさせるような行為は、いわゆる“無茶苦茶な対応”である)

 この場合、おそらく多くの親は、それほど冷静さは失わず、感情的になることも少ないと思われる。

 それでは比較対象として、次の例を見てほしい。この例で赤字が追加している箇所は、この状況の時に、親がどのような心理状態に陥りやすいかを表しているものである。

2)二つ目の例

①子ども2歳間近

・言葉の発達が遅く、子どもの発語(一語文)が全然始まらない。

「ああ、どうしよう!何でだろ、何とかしなきゃ・・・」

②子ども7歳

・小学校に入学後、クラスメイトに二人の外国人がおり、この二人は近隣の幼稚園に通っていなかったので面識がない。この二人の子は日本語がまだあまり慣れておらず、この二人の子をバカにしたりする言動が何度かあった。そのため、相手保護者と担任に謝罪に出向くことになった。

「ああ、どうしよう!何でだろ、何とかしなきゃ・・・」

③子ども14歳

・自分の好みではない趣味を持つ同級生をバカにする言動が目立ち始める。ある日学校で、剣道が好きな同級生を「マイナーなスポーツでダサい」などとバカにしたことがきっかけでつかみ合いの大喧嘩になり、担任から厳重注意される。

「ああ、どうしよう!何でだろ、何とかしなきゃ・・・」

④子ども17歳

・ネットゲームに夢中になり過ぎる傾向が強く出始める。最初のうちは少し嗜む程度だったが、徐々にのめり込むようになり、次第に生活リズムが大きく乱れる程になった。そしてある日、ゲームのアイテム購入などで15万円に及ぶ課金をしていることが判明し、家族内で大問題になる。

「ああ、どうしよう!何でだろ、何とかしなきゃ・・・」

※高校、大学卒業後、無事就職。

 

 この例で、読者のみんなは何か思う所はあるだろうか。この例は、一つ目の例よりも問題が大きい。そして、親が赤字で示したような心理状態になるのも致し方ないともいえるものだ。

 まず知っておきたいのは、このような状況に置かれた時、親は“どんな行動を起こしやすいのか”という点である。かなり多くの親に共通して見られる傾向として、あわてふためき、担任教師などの周囲の人に200%の量の質問をぶつけ、𠮟りつけるように子どもに多くの言葉を浴びせ、子どもの行動をなんとかコントロールしようとする。

 しかし・・・これらの行動は、望ましい方向に導くものではない。

 では、どんな打開策があるかの例を示す前に、もう少し『育児や子育てにおいて、子どもの人生設計をどう考えるか』という点の大切な点を記述しておこう。

 現代を生きる上で、一定のレールから外れると、そこから巻き返すのが大変なのは事実だ。そこで例えば、「一流の大企業に勤めてエリートコースの人生を歩みたい」「一流のスポーツ選手になって名声を得る人生を歩みたい」といった人生を子どもに送ってほしいと願い、子ども自身もそのような人生を望むのなら・・・?

 それは、一時の揉め事にいちいち慌てふためいている場合ではなく、もっと壮大な心構えが必要だ。まずは、そんな人生を送るためにどんなスキルと経験が必要なのか。どれだけお金が必要なのか、事前に充分に調べた上で、綿密な計画を立てて行動しなければならない。子どもとよくコミュニケーションを取り、親子・夫婦で共闘する姿勢が不可欠だ。

 しかし多くの人の場合、そんな壮大な準備は必要ない。

 育児と子育ての期間に子ども自身が、社会の一定のルールを学び、働く力と学ぶ力を獲得できれば、それだけで充分親の務めは果たすことになる。親自身も、その力を身に付けているから、今子どもを持って親になっているのである。いわば、親のあなた自身が自分の人生を振り返れば、答えはそこにある。

 

 それでは、上記の二つ目の例から、あとはどのような視点で子どもと関われば良いかという視点で記載しよう。子どもが14歳時の箇所、以下の問題が発生した場面を取り上げる。子どもの名前を仮にA男として進めていこう。

・A男は自分の好みではない趣味を持つ同級生をバカにする言動が目立ち始める。ある日学校で、剣道が好きな同級生を「マイナーなスポーツでダサい」などとバカにしたことがきっかけでつかみ合いの大喧嘩になり、担任から厳重注意される。

「A男、この前学校であったトラブルについて、少しお話ししよう」

A男「イヤだ。どうせ怒鳴って怒るんだろ」

「怒鳴りはしない。A男、あの出来事があってから、君はどういう気持ちだい?」

A男「・・・・・」

「難しく考えなくていい。どんな気持ちになったかをそのまま言えばいい」

A男「まだムシャクシャする・・・。でも・・・何か後ろめたい気持ちもする」

「そうか。A男は将来、どういう大人になりたいんだい?」

A男「・・・・・。・・・カッコよくて、頼られる大人になりたい」

「そうか、それはとても素晴らしい目標だ。それでは、あと一つだけ大切なことを考えよう。それだけ今一緒に考えられるか?」

A男「・・・うん」

「今回A男は、同級生のB君の剣道をダサいとバカにした。この行為は、カッコよくて頼られる大人になるためにふさわしいものか?」

A男「・・・ふさわしくない」

「そうだな。私もそう思う。それなら、同級生が一生懸命やっていることに対してダサいとバカにするのは今後やめるべきだな。A男はどう思う?」

A男「俺もそう思う」

「よし。これで、これから先どうしたらいいかは少し見えてきたな。もし、これから先また、人のことをダサいと言ってしまうようなら、今は見えない他の原因も考えなければならない。その時はまたちゃんと話し合って考えような」

A男「・・・わかった」

 

 このエピソードと親子のやり取りは、どこにでもよくある例なのだが、このA男の親の話し方を丸々真似する必要はない。実際親子の会話は、テンプレ通りにいかないことなど山ほどある。

 ポイントを三つ挙げておくと、“親自身が冷静であること”“成人した時にたどり着く明確な目標を基準に話すこと”“今すぐ全て解決しようとしないこと”である。

 

 以上である。読者のみんなの参考になれば嬉しく思う。

(作・イキルちえ)

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