生きる知恵

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子どもの婚活、就活、バイトの面接などにしゃしゃり出てくる親

 さて、みんなは親がどこまで子どもの面倒を見るのが適切だと考えているだろうか。

 子どもは親の養護の元に育ち、少しずつ大人になっていく。これは基本中の基本なのだが、一定以上に干渉してしまうと、子どもの健全な成長を妨げることになる。

 現代は子育てや結婚が大変なのは皆も知っての通りなのだが、現代子育ての特徴の一つとして、結婚が大変で一世帯あたりの子どもの数が少ないが故に「子どもに対する思い入れが大きくなり過ぎる」傾向があると言われている。

 そのため、親の心理として、婚活や就活などの場面において「この子が成功できるか心配。自分の目でこの現場の中身を確認したい」「失敗しないよう、必ず成功するようにサポートしたい」という気持ちが大きくなる。また、「私は親なんだから、子どものことは何でも干渉していいんだ」という傲慢な気持ちが起こっている場合もある。(これはエゴで子どもをコントロールしようとする悪質なケースに入る)

 逆に、子ども側に心理的な問題がある場合もある。婚活や就活、アルバイトの面接など、本来自分でやらなければならない事柄において、「一人でできるかどうか不安だから来てほしい」と言って親を連れてくる場合もある。

(極端でレアな一例の余談だが、まだセックス経験のない男性が母親と共に性風俗店に来店して、『この子はまだ未経験なので、是非よろしくお願いします』などと言って、母親が同室で風俗嬢との性行為を見守りたいと申し出るようなことも世間ではあるようだ)

 そもそも、親子、家族とは何なのか。他の人間関係と、どこが違うのだろうか。

 親子関係の究極的な特徴として、『その家族内の常識で価値観が作り上げられる』のである。家族ごとに文化があるといっても良い。だから、傍から見れば異常と思えることでも、当人たちにはその意識がなくまかり通ってしまうのである。

 ここで、読者のみんなに想像して考えてほしい。

 あなたは、レストランの店長だとする。アルバイトの募集をした所、20歳の男性から応募があった。面接当日、あなたはホールで接客をしていると、若い男性と中年の女性の二人組がやってきた。

「今日アルバイトの面接に来た〇〇です。よろしくお願いします」

「あの、私母親なんですが、面接に付いてても良いでしょうか?」

 

 あなたはどう思うだろうか?

 まともな感性を持つ人なら「うわあ・・・面接に母親が付いてきたよ・・・。もういい大人なのに」と感じるだろう。親の力を借りないと来られない能力不足という評価になり、大きなマイナスになる。子どものためを思って行動したつもりが、逆に足を引っ張ることになってしまうというのは、非常によくある話である。

 学校の受験は基本的に未成年の時なので親の同席は必要になるが、婚活、就活などは、大人として臨むことである。

 根源的な話として、子どもが、親の想像通りの形に育つということはほとんどない。もし機会があれば、現在25~40歳位の子どもを持つ親の話を聞いてみると、それはよくわかる。教育の方針があっても、想定外の方向に育ったという人の方が圧倒的多数なのだ。

 よけいな労力を割くよりも、もっと大切なことを見落とさないように心がけることの方がよっぽど大事だ。子育ての基本として、直接的な養育の他、子どもが学ぶ機会と場を提供し、社会で生きる上での倫理観を身に付けさせることだ。あとは、子ども自身が自ら社会で学んでいくしかない。

 子どもの能力とは、親が手を貸せば貸すほどすり減っていく。

(作・イキルちえ)

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