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誹謗中傷された時の対処方法、受け流し方

 さて、みんなは自分が信念を持って一生懸命やっていることを、他人から誹謗中傷されたらどう感じるだろうか。今日は、主にネット上のコミュニケーションを上手に利用することに関する内容だが、現実のリアルな世界でもよく起こる内容だ。この記事では、他人から誹謗中傷された時に、どういう心持ちで対処すればよいのか、また、誹謗中傷の言葉の種類と質についても分析・解説していく。是非最後まで読んでくれ。

 

 人間の言葉は、人の心に大きな安らぎや感動を与えることもあれば、刃物のように人を簡単に傷つけることもある。「ペンは剣よりも強し」という語り継がれる言葉もある。

(エドワード・ブルワー=リットン卿作の戯曲『リシュリュー』に登場する主人公のリシュリュー(17世紀のフランス宰相)が言った言葉)

 人と対話する時に言葉の選び方に気を付けるのは、多くの人が子どもの頃から学ぶ機会があるだろう。

 そこで、“誹謗中傷” を分析する前に、一つ前置きを述べておく。

 これは、主にSNSやネット上で非常に勘違いしている人が多いのだが、自分がどんな言葉を発していても「批判されたくない」と主張するのは、間違った主張であるということだ。大人になれば、自分の発言に対して責任を持つことを問われる。明らかに間違った考えに対しては反論の言葉が返ってくるのは当然であるし、自分自身が攻撃的な言葉を発すれば、相手からも攻撃的な言葉が返ってくるのは自己責任である。これらを全て「相手がおかしい、自分は悪くない」と相手に責任転換するのは、自分勝手な幼い考え方である。まずはこれが前提だ。

 その上で当然、人を攻撃する言葉、誹謗中傷は決してやってはいけないことなのは明白であり、これから解説していこう。

 

(1)誹謗中傷とは、どんな言葉を指すか

 主に以下の三種類に分類される。

・攻撃性を伴う言葉

・人の存在、人格、容姿を嘲り、否定する言葉

・性別、国籍、家柄等を指して差別的に扱う言葉

※具体的な言葉の例

「バカ」「アホ」「ボケ」「ブサイク」「ブス」「ガキ」「ジジイ」「ババア」「無能」「消えろ」「気持ち悪い」「キモイ」「役立たず」「うざい」「殺すぞ」「お前は使えない奴」「お前には無理」「お前は迷惑な奴」など。

 これらの言葉をよく使う人か、全く使わない人かで、その人の人格や本性を見分けるコツにもなる。

 

(2)誹謗中傷された時の心の持ち方

 他人の言葉を自分の心に取り入れる前に、普段から意識しておきたいことが以下のように三つある。

①基本として人間は、法に触れなければ、何を考え、どこで何をやっても自由である。それを他者に口を挟まれる筋合いはない。しかし生きている以上、世間には何かしら口を挟んでくる人はいるのが自然なこと。

②普段から自分で、「人を心地よくする言葉」「人を攻撃し不快にする言葉」の質の区別がついていること。

③普段から自分の行動に対して、ある程度の「自信」「道を踏み外すようなことはしていない方向性」を身に付けていること。

 

 どうしたら、こういった物の見方が身に付くか。それは普段から、よく自分自身の行動と言葉を振り返り、生きていく中で精査していくことの積み重ねだ。そうすると自然に、自分に対して言葉を発してくる“相手の言葉の質”が見えてくる。攻撃性がない人の言葉は笑顔の子犬のような質があり、攻撃性のある人の言葉は汚らしいブタのような質を感じることができる。

 今回の話題に限った話ではないのだが、人を見分けて心の安定を保つには、やはり人生経験がモノを言う。そして、一つ魔法のような解決方法があるわけではなくて、複数段階的に準備があって効力を発揮するものだ。

 それでは次に、具体例を五つ挙げて、現実のコミュニケーション、誹謗中傷の場面を想定して解説していこう。自分自身が発した言葉に対し、他人から返ってきた言葉を《A》と《B》の二つに分けてある。どちらが誹謗中傷に値するかは読めば一目瞭然だ。これを受けて、他人の言葉をどう捉えればよいかを解説する。

 

(3)具体例

【その1】

自分の発言:「自分はとても貧乏で、学歴も中卒です。外見も良くないです。アルバイトをして毎月15万円稼いで一人暮らしをしていますが、毎日つらいです。」

他人の言葉《A》「バカ」「お前は無能」「役立たずだ」

他人の言葉《B》「そんな収入で生活できるの?」「今は良くても将来どうするの?」

 《A》の言葉は誹謗中傷であり、真に受ける必要はない。ブタが騒いでいると思って放っておけばよい。自分で働いて生計を立てて生活しているので、事情を知らない人に何も指摘される筋合いはない。

 しかし、《B》の言葉は質が違う。やや言い方はキツイと感じるかもしれないが、月15万円の収入では生活や将来設計について不安があるのは事実であり、事実に則って指摘をしている場面である。こういう場合、自分自身の生活を自分なりに向上していくので充分である。「毎日つらい」という気持ちをなぐさめてほしいという感情が大きい場合は、その感情を受け止めてくれる他者と関わる機会を持つことが必要で、コミュニケーションの場を選ぶ必要がある。

 

【その2】

自分の発言:「自分は今40歳。20歳位の金持ちイケメンと結婚したい。特に何もしてないけど、これからマッチングアプリを始めれば、すぐ簡単に相手は見つかるよね」

他人の言葉《A》「バカ」「アホ」「身の程知らず」

他人の言葉《B》「現実見ろよ」「せめて何か努力しろよ」「何もしてなくてそんな結婚できるわけがない」

 《A》の言葉は誹謗中傷であり、真に受ける必要はない。ブタが騒いでいると思って放っておけばよい。どんな人と結婚したいか、願望を持つのは自由だからだ。

 しかし、《B》の言葉は質が違う。言い方はキツイが、現実的に相当難しい結婚であり、何も努力せずマッチングアプリだけで簡単に相手が見つかるのは非現実的であることを指摘しているからだ。これは誹謗中傷とは言わない。婚活や恋愛では、特に現実と理想の乖離が起きやすく、他人の指摘も厳しくなる傾向があるので、そういった側面も知っておきたい。

 

【その3】

自分の発言:(仕事の場面、会社内で上司と会話)「先ほど取引先の会社に行ってきました。足を運ぶのは3回目でしたが、今回も契約は取れませんでした」

上司の言葉《A》「バカ」「お前は無能だ」「相変わらず使えない奴だ」

上司の言葉《B》「また契約取れなかったのか、いい加減にしろよ」「もっと頭使ってやれ」

 これは現実世界で非常に多いパターンだ。言葉の質としては、《A》は明らかに誹謗中傷である。《B》は、言葉の質としてはギリギリ誹謗中傷には当たらないのだが、上司としての指導という面を差し引いても、かなり高圧的な物の言い方であり、微妙なラインである。『誹謗中傷には当たらないが、心にダメージを負うような言葉』といってよいだろう。こういう場合、二つ留意しておきたいことがある。

・他の同じような場面で、その上司があなたにどう接しているか。真摯に寄り添ってくれる姿勢があるか。

・他の人にも、あなたと同じような接し方、言葉遣いをしているか。

 人間の言葉は自分で完璧にコントロールできるものではないので、タイミングの悪い時や機嫌の悪い時に強い口調になってしまうことは誰にでもある。そして、相手によって態度が違い過ぎる人は、特に上司や管理職などの人の場合は、他人に与える悪影響が大きい。この辺りを判断基準にしておきたい。

 なお、《A》のような言葉(誹謗中傷)を発する上司はパワハラそのものだ。やるべきことは、迷うことなく転職、そして労働基準監督署への通報だ。

 

【その4】

自分の発言:「自分は今50歳だが、20歳の女の子とセックスしたい。だから、外見も磨きつつ積極的に出会いの場に行っている」

他人の言葉《A》「バカ」「気持ち悪い」「キモイ」

他人の言葉《B》「年齢差がありすぎる」「それは難しいんじゃないか」

 これはその2と似たケースだ。《A》の言葉は誹謗中傷であり、真に受ける必要はない。ブタが騒いでいると思って放っておけばよい。年齢差があれど、どんな異性とセックスしたいかという願望を持つのは自由だからだ。

 しかし、《B》の言葉は質が違う。言い方はキツイが、現実的に相当難しいことを望んでいることを指摘しているからだ。これは誹謗中傷とは言わない。

 

【その5】

自分の発言:「自分は今50歳だが、この前15歳の女の子とセックスしちゃいました」

他人の言葉《A》「バカ」「アホ」「マヌケ」

他人の言葉《B》「犯罪なので捕まるよ」

 これは一見その4と似ているが、全く違う。もはや誹謗中傷を論じる余地はない。15歳(未成年)と性行為をするのは刑法に該当する犯罪だからだ。似た例としては、バイトテロと呼ばれる行為(アルバイト先の商品を雑に扱う等)などや、飲食店の調味料にいたずらを仕掛ける行為なども挙げられる。これらは、刑事、民事両面の罪の他、就業規則違反なども該当する。

 つまり、「やって良いことと悪いことの分別が付いているかどうか」が、他人からの誹謗中傷を論じる前提としてあるということは忘れてはならない。

 

 以上である。

 最後に一言。世の中には数多くの言葉が飛び交っているが、実際の所、真摯に生きて堂々としていれば、誹謗中傷を受けるような機会はそうあるものではないと作者のオレは考えている。普段生きているコミュニティの質にもかなり左右されるだろう。

 そして、誹謗中傷以外にも、“自分の身を守る”ということについては、その場の対処方法よりも、『事前準備』『事前の知恵』がはるかにモノを言う。今日の記事が少しでも読者のみんなの役に立てば嬉しく思う。

(作・イキルちえ)

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