さて、みんなは成人してからどんなことに一生懸命取り組み、生きてきただろうか。まだ未成年の読者の方は、これからどんなことに取り組みたいと思うだろうか。今日の記事は、現状の婚活事情の問題点を考察するという視点にて記述している。是非最後まで読んでくれたら嬉しい。
人生の大きな分岐点になる結婚であるが、何も準備せず好きな時に結婚ができるわけではない。相手がいることで成立するものであるのもそうだし、自分自身が「この状態なら結婚できる」と思える態勢が整っていないと、結婚や婚活に踏み切るのが難しい面がある。
結婚できる態勢というものが何を指すかだが、「収入の安定」「一定の自信(外見、コミュニケーション能力、健康状態等)」の二点が核となる。これに、自分自身の「結婚したい」という気持ちが加わることで、“結婚できる態勢が整った”といえるだろう。
しかし、この態勢を整えるというのは、そう簡単な話ではない。
安定した収入を得る仕事に就くのが難しいことも多いし、予想だにしないトラブルや出来事も起こる。そして、その人にしかわからない、元々持っているハンデやデメリットなどがあることも決して珍しいことではない。
例えばみんなは、もし自分の兄弟にひきこもりの人がいたら、すんなり婚活をして結婚をしようと思えるだろうか?おそらく、多くの人がためらうはずである。こういうケースは、決して珍しい話ではない。他にも、人それぞれの事情を持っている人はたくさんいる。現代は普通に生きるだけでも大変な世の中という表現もできる。見方は様々だが、“生きているだけで尊く、立派なものである”といってもよいだろう。
これらを踏まえて、今の婚活市場の多数の問題の一つ。それは、『結婚できる態勢を整えるまでの数年間が、全く評価基準とされていない』ことにある。
これを解説するために、以下「A層」「B層」に分けて記載していく。
「A層」
・成人時
結婚できる態勢について、ある程度整っている。あるいは、そこまで深く考えていない。婚活は、始める人もいればしない人もいる。
↓
・27歳頃
たまたま良い人と出会い結婚。
※解説
この層は、現状で最も結婚している人に多いパターンである。元々それなりに結婚しやすい状況が整っている人に多く、恵まれている層だといえる。つまり、元々それなりに平和な家庭で育った人、経済的な不安も少ない人、成人後に安定した仕事に就けている人、それなりに異性にモテるスペックがあって相手探しに困らない人、結婚するための努力・行動をはっきりできる人などが挙げられる。しかし、現状の社会状況を鑑みれば、この層はむしろ少数派だといえる。
「B層」
・成人時
結婚できる態勢について、まだ整っていない。よって婚活も始めない。
↓
・成人以降~〇〇歳(年齢振り幅は人それぞれかなり異なる)
結婚できる態勢を整えるために日々一生懸命生きる。態勢が整っていないので婚活もしない。
↓
・〇〇歳(年齢振り幅は人それぞれかなり異なる)
ようやく結婚できる態勢の準備完了。婚活開始。
※解説
現在、A層よりも、このB層の方が多数派であり、状況は人それぞれ様々だ。結婚できる態勢が整う年齢は、かなり人それぞれ異なる。24歳程度の人もいれば、50歳過ぎまで至る人もいる。態勢を整えるまで、奨学金の返済と貯金をするために長時間働く人もいれば、収入を上げるために資格取得の勉強をしている人もいれば、家族の事情や心身の健康状態が関わる人もいる。そしてこの期間は、苦しいこともあると同時に、人間としての大きな成長を遂げている期間でもある。
実際に婚活をしている人は、「何でこんなに良い人なのに、今まで独身だったんだろう」「この人は、この年齢まで今まで何をしていたんだろう」という人と出会ったことはないだろうか。おそらく、かなり多くの人がこういう人と出会ったことがあると思う。
実際に、こういうB層の人はとても多い。そして、本当に尽力した婚活の支援が必要とされる層でもある。
それでは、現状の婚活市場の問題点を挙げていく。
「もっと自分の中身を見てほしいのに、外見とか収入とか、表面的な部分しか評価されない」
こういう不満は、婚活当事者から非常によく挙がる。これはつまり、『結婚できる態勢になるまで努力していた部分が全く評価されない』ことが、婚活当事者の不満に直結しており、結婚したいのにできない人を多数生んでいる現象となって現れている。今の婚活市場とは、“今現在の”「外見、収入、人柄、住まい等」が評価基準になっており、そこに至るまでの努力は全く無視されているのである。結婚相談所でもマッチングアプリでも、「婚活を始めるまでに、どのような課題があり、どのように取り組んで乗り越えて今に至ったか」ということを細分化して評価する形式は存在していない。(ごく一部の優秀な婚活カウンセラーが支援する場合の例外はあり)
結婚は、相手があってのものだ。自分自身が安定していないと、結婚してもパートナーを巻き添えにしてしまう。だからこそ、責任感のある人ほど結婚には慎重になるものだ。しかし、結果的に結婚適齢期を過ぎ、婚活しても成婚が難しくなるというジレンマも抱えることになる。女性の場合は出産も関わってくるのでなおさらだ。
この現象は、結婚を難しくしている要因の一つであり、少子高齢化を促進してしまっている。なぜ、このような現象を起こしてしまうのかであるが、最も大きな問題は、日本の経済状況である。低賃金で、住宅費や子育てにお金がかかり過ぎ、社会保障負担額も大きくのしかかってくる。これは、多くの人が実感していることだろう。
まとめとして最後に、上記に挙げたB層の立場の人がいざ実際に婚活を始めた時にどうしたら良いかを簡潔に述べておこうと思う。
まず、結婚相談所などを利用する場合。
ほとんどの婚活カウンセラーは基本的に、今現在のあなたのスペックしか評価対象としない。それを元に、どんな人と成婚しやすいかを、会員データを頭に入れながら助言を行ってくる。しかし、よほどの無能カウンセラーでない限り、結婚生活は夫婦で協力し合って家庭を運営し、結婚生活には何度も乗り越える困難があることを理解しているものだ。
これを踏まえて、自分が20歳頃から、婚活を始めた今現在の数年の間に、『どんな問題、課題があり、どのような生活状況で、どんなことに取り組んでここまで来たか』を、わかりやすく婚活カウンセラーに説明することを推奨する。そうすれば、パートナーを幸せにするために懸命に努力できる人だという誠意は必ず伝わる。真剣さが伝われば、(良い婚活カウンセラーであれば)あなたのことを一生懸命サポートしてくれるはずだ。
ただし伝える時には、だらだらとまとまらない話にならないよう、要点をまとめて相手にわかりやすく話すことは必要だ。
そして、結婚相談所ではなく、他の手段で婚活をする場合だが、同じ内容を、お相手とお見合いをした時に直接話すことである。大きな自己開示にもなるので、より深くあなたの人柄や人生観は伝わるはずだ。
以上である。今回の内容はいかがだっただろうか。それではまた別の記事で会おう。
(作・イキルちえ)
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