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「生理的に無理」「生理的に受け付けない」この言葉の意味と、裏側にある事情(恋愛・婚活)

 さて、みんなは「生理的に無理」「生理的に受け付けない」これらの言葉を、目の前にいる人に対して直接言ったことがあるだろうか。今日の記事は、恋愛や婚活で時々キーワードになるこの言葉について解説した記事である。よかったら気軽に読んでくれ。

 

 数ある言葉のうち、人の心情に対して、大きな影響をもたらす言葉というものがいくつもある。その中でも「生理的に無理(受け付けない)」これは、かなりの強さを持つ言葉だ。

 まず「生理的」の正しい意味であるが、『体の機能や組織。本能的な部分』を指す言葉である。わかりやすい例としては、“爬虫類などの生き物を見た時に感じる感覚”だ。進化心理学の話になるが、おそらく大半の人はトカゲや蛇などの爬虫類は苦手であると思う。(もちろん全員ではなく、好きな人もいる)これは、人間が哺乳類だからだ。哺乳類は、大昔は恐竜などの爬虫類に捕食される側だったので、危険を避けようとする本能が進化の過程で強化されてきた可能性があると言われている。これは「生理的に無理」と感じる代表例だ。

 世の中には、使うのに慎重さを要する言葉というものがたくさんある。人の心に“強い痕跡を残す”言葉は特にそうだ。人が人に対して「生理的に受け付けない」と直接言うことは、「わたしは、あなたの存在が本能的に受けつけません」と言っていることになる。

 

 ここからは、恋愛と婚活に絞って進めていこう。

 まず前提として、“外見を整えること”は、外に出て人と関わる際には基本であることだ。そして、恋愛と婚活(結婚)は、中学生や高校生の恋愛などの一部を除いて、異性同士の肉体関係(性行為)が有ることは基本になる。そうすると、お互い「生理的」に受け付けられる感覚は必須になる。だからこそ、恋愛や婚活のアドバイザーをはじめ、数多くの人が「まずはちゃんと外見を整えること」と口を酸っぱくして言うわけだ。

 しかし・・・この言葉は、もう少し深く考える必要がある。

「生理的に無理」「生理的に受け付けない」

 この言葉は、恋愛や婚活では、かなり安易に使われている傾向があるからだ。現代は、男性も女性も、異性に対して求める外見要素が、かなりハードルが高い。(これは、メディア、アイドル、あらゆる創作物が高度に進化したことなどが大きな影響を与えている)

 少しでも自分の理想の異性と食い違う点が目に付くと、「生理的に無理」「生理的に受け付けない」と安直に捉えてしまったり、人の内面とじっくり向き合って関係性を築こうという気持ちも、非常に薄い人が多い。

「生理的に無理」「生理的に受け付けない」

この言葉は、決して軽々しく使って良い言葉ではない。相手の存在、人格を真っ向から否定する言葉なのだ。

(「そんなわけない」と思うのであれば、あなたが、自分の一番大切な人から「あなたは生理的に受け付けない」と真っ向から言われる場面を想像してほしい。)

 恋愛と結婚は、いつ、誰を好きになり、誰と結ばれて、どういう交際をして、どういう関係を築こうが、基本は個人の自由である。しかし、だからといって、どんな言葉も好き勝手に相手に言ってよいわけではない。言葉は、人の心を揺さぶり、刺激し、時には簡単に破壊することもできる。

 恋人や生涯のパートナーと結ばれるような尊い関係を望むのであれば、それぞれの言葉の意味、どんな言葉が人にどんな影響をもたらすのかは、必ず知っておきたい。

(作・イキルちえ)

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