さて、みんなは外に出た時にトラブルを招かず冷静に行動できているだろうか。社会のルールを守って倫理的な行動をできているだろうか。
今日の記事はある事例を元に進めていくが、ポイントが二点ある。
①よけいなトラブルを招かず、“この行動は客観的に見てどうか”を理解した上で行動する大切さ
②女尊男卑社会の一例
この二つだ。
まず、事例を紹介しよう。
事の発端は2008年。声優の植田佳奈がラジオ番組内で語った自己エピソードについて、大きな騒動になった話である。
内容としては、植田佳奈が電車で移動中の際、紙カップ飲料を足元(座席下)に置いた。後で持ち帰って捨てるつもりだったが、それは電車内にゴミを放置したように見られる行動だったため、電車内の男性に「ゴミを放置してはいけない」と注意された。
これに対し植田佳奈は憤慨して男性と口論になったが、その場ではそれ以上大事にはならなかった。しかし後に出演したラジオ番組で、植田佳奈はこの件に関して問題発言を連発する。その発言内容は以下の通りだ。
『あの男は社会のゴミ。このオヤジを社会的に抹殺とか、とにかく、辱めて、あいつが悪い方にさせるにはどうしたらいいのかって考えた。大声でものすごい悲鳴を上げて、駅員や鉄道警察を呼んで。それでもし向こうが手出してきたら名誉棄損や傷害罪になるし』
以下三つはこの件に関するいくつかの情報、ニュースである。
<参照元:http://ziplus.blog78.fc2.com/blog-entry-149.html>
<参照元:http://www.kikininaru.seesaa.net/article/456638557.html>
<参照元:https://ameblo.jp/tuneari/entry-10178673916.html>
この一連の出来事についてみんなはどう思うだろうか。
これは当時かなりの騒動になったニュースで、植田佳奈の言動を批判する声が相当数あった。これに加えて、実際の状況としては、植田佳奈の行動を指摘した相手男性もかなり強い口調であり、酒に酔っていて、口論中に植田佳奈に対し卑猥な言葉を浴びせることもあったという情報もある。しかし、ラジオという公共の電波で、「社会のゴミ」「社会的に抹殺」などの発言は当然問題になる。「大声でものすごい悲鳴を上げて、駅員や鉄道警察を呼んで」などは、冤罪を広めてしまう発言だという批判もあった。
ここで読者のみんなに聞いてみよう。日々生きていて、よけいなトラブルに遭いたいだろうか?おそらくそんな人は皆無だろう。このエピソードは、そんなトラブル回避のヒントがたくさん隠れているのだ。
まず、世の中には、捨ててはいけない場所にゴミを捨てる人はたくさんいる。それに怒る人がたくさんいるというのは誰でもわかるだろう。そこで、もし電車内で飲料のカップなどを持っていたらどうするか?それを足元に置いた場合、「この行動は、他人から見たらゴミを放置したように映るかもしれない」という予測は、冷静に物事を考えれば事前にわかる。多少手が窮屈になっても、電車を降りるまで手で飲料カップを持っていれば、このトラブルは防げたかもしれないのだ。
さらに相手男性の立場になって考えてみよう。
目の前に座っている女性(植田佳奈)が、飲料カップを捨てて放置したように見えるのは致し方ないかもしれない。しかし、もう一歩想像力を働かせることは充分可能だったはずだ。「降りる時に捨てるつもりでは?両手が塞がって窮屈だから一時的に足元に置いたのでは?」こういう風に冷静に考えることは可能だったはずだ。
さらに、もし自分が酒に酔っている状態だったなら、少し酔いを醒まして頭がはっきりしてから電車に乗れば、こういうトラブルは防げる。さらに自分が酒に酔った時にどういう特徴が出るのかを、自分自身で把握していたか?
こういう多様な視点を持つことは非常に大切で、トラブルから自分自身の身を守ることにつながる。
そして、このエピソードではもう一つ重要なことを記述しなければならない。冒頭で挙げた「女尊男卑社会の一例」に関することだ。
身に危険を感じた時は、周囲に助けを求めることは非常に大切だ。これは男女共通である。
このエピソードをもっと深く冷静に読み込んでみると、当人の植田佳奈の普段からの深層心理も垣間見える。これは植田佳奈に限らず、他の多くの女性にも当てはまる。
「騒いで声を挙げれば、周囲の人は、女性である自分の味方をしてくれるはずだ」
あらゆる場面の現実では、「男性の訴える声」よりも、「女性の訴える声」の方がはるかに優遇される。これは今の日本では動きようのない事実だ。
騒動に火を付けたラジオ番組内で、植田佳奈はかなりポップな口調で、同番組に出演していた清水香里(声優)に対してこのエピソードを語っている。自分自身が行った男性を貶める行動を、後に武勇伝のように嬉々として語る女性は普段からどこにでもいるものだが、“自分は無条件に許されるはずだ”という甘えのような深層心理は充分に読み取れる。そして、そういう考え方は、この事例のように自らトラブルを招く原因になる。
今回の事例、エピソードは、日常生活で誰でも遭遇しやすい出来事だ。だからこそ、生かせるヒントが多い。想像力をはたらかせて、トラブルを招かない行動を身に付けること。
そして、“自分は無条件に許されるはず”こんな考えの元で行動してはならない。周囲に迷惑をかけ、「社会のゴミ」「社会的に抹殺」のような差別的な発言をすれば、男女関係なく誰でも批判されるものだ。
(作・イキルちえ)
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