生きる知恵

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ネット上で発言すれば誰でも批判される可能性がある(男女の争いを冷静に分析しよう)

 さて、みんなはネット上の情報を見て「こいつ何言ってんだ?」「これは間違ってるぞ」と思うことはよくあるだろうか。あるいは自分自身がSNSやニュースや動画などにコメントをした時に、「それは違う」と批判をされたことがあるだろうか。

 今日の記事内容は主に男女間の問題をテーマとし、「よく考えれば当たり前のこと」を、事例や図解を用いて深く解説していく。今日の記事はボリュームがあって非常に長い。そして、人それぞれ賛否もある内容だと思われる。検索やブログ専用サイト経由で初めていらした読者の方も多いと思うが、生きていく上で少しでもヒントになれば嬉しく思う。

 

 現代はネットやSNSが発達しているので、誰でも自分の考えを発信することができ、同時に他人の考えに対しても容易に自分の考えを述べることができる。特に男女の問題に関しては争い事になりやすいわけだが、男女の問題や争い事として、一つ特徴的なことを前提として挙げておこう。それは、「同じ問題が、男性にも女性にも起こることが大半である」という点だ。

 実際には、これに気付いておらず、あるいは気付いていてもこれを上手く平等的に捉えることができずに意見を発している人がほとんどである。

 例としては、「男性はたくさん働いて疲れているんだから休養が必要だ」という意見があったとする。しかし、たくさん働いて疲れているのは多数の女性も同様である。ここで、「男性のみ休養が必要だ。女性はいらない」という考え方を世間に発信してしまうと、当然「女性だって疲れてるんだ」という批判が来るわけだ。

 この後は、以下の図解を使って解説していく。

 

<作者イキルちえ作成:公に意見発信した時の構図>

 どんな出来事、テーマも、非常に多くの問題や課題が関わってくるものだ。「これが原因だから、こうするべき」と一つで単純に片付くことなどほとんどない。

 しかしである。実際の所、よほど幅広く学習し、知見を深め、ディスカッションに慣れた人でない限り、この図解のようにAからKまでの視点を踏まえた上で、何らかの問題やテーマを発信するのは相当に難しい。かなりの著名人でさえ、発言が炎上騒動になることも珍しくないのだから。

 ほとんどの人は、AからKまでの視点の10のうち、せいぜいAからCまでの3つ位の範囲で述べるのがせいいっぱいだろう。発信者の経験と考えであるABCと同じ考えの人ならば共感してくれるが、そうでないD~Kの経験と考えの人であれば、共感してくれなかったり批判されるというわけだ。図解で表したこの様相は、現在特にネット上の論争では星の数ほど見られる現象だ。また、現実社会の場でも同様に、このような構図の元に争いやすれ違いが起こる。

 ここからは、タイプの異なるものをピックアップした事例を三つ紹介しよう。上記図解を元に、《発信者・ABC》《世間の大勢の人・DEFGHIJK》の構図で紹介していく。

 

【事例①】

<参照元:割り勘彼氏ってそんなにヤバい?(ガールズちゃんねる>

 ガールズちゃんねるは大手掲示板サイトの一つであり、テーマも「男女同士の割り勘・奢り」という、日常にありふれた話題である。

《発信者(女性)・ABC》視点(投稿本文を要約)

 付き合って2年の彼氏がいるが、付き合う前は全額奢ってくれた。付き合ってからのデート代は割り勘。これってどうなのかな?

《世間の大勢の人・DEFGHIJK》視点

 ・何故付き合う前は奢って付き合ってから奢らないのか?なら付き合う前も奢らなきゃいいのにって思う

・お互いの収入状況によって、見方も変わるのでは?

・いいと思う。令和の価値観だよ

・割り勘男は結婚しても割り勘要求してくるよ。それプラス家事や介護はすべて押し付けてくる

 

 この事例は、発信者が意見を主張しているわけではなく、自分の状況が「ヤバいかどうか?」を掲示板のユーザーにはたらきかけて聞いているものである。「お互いの収入によって見方が変わる」「割り勘の肯定」「割り勘そのものの卑下、否定」などなど、非常に多岐に渡る視点の元、非常に多くのコメントが付いている。

 何かと火種になりやすいこの話題だが、この事例はわりと平穏に意見交換がされている。これがもし「彼氏が交際始まったら、それまで奢りだったのに割り勘にしてきた。ケチだ!納得いかない!」などと強く主張をしていたら、発信者は数多く批判されていたことだろう。

 

【事例②】

<参照元:X(旧ツイッター)のポストより(須藤エミニ)>

《発信者・ABC》視点(投稿原文ママ)

 男社会で劣等感を抱えた男性は、極端に若い女を手に入れて見せつけることで一発逆転を果たそうとしがちですね。社会への復讐なんだろうなと感じる。

《世間の大勢の人・DEFGHIJK》視点(リプライの要約を抜粋)

・単にその女性のことが好きなだけではないか

・エビデンスや根拠がない

・本人でもないのに、劣等感だなんだと勝手に決めつけるな

・男性社会では、若い女性を手に入れることが一発逆転という発想はない

・フェミニストなのになぜ個人の意思を無視するのか

 

 この話題は、「男性が年上の歳の差婚」「恋愛・結婚に関わる心理」「社会的幸福度」などが関わるものだ。これに加え、発信者の須藤エミニ氏はフェミニストを自称している。

 劣等感を抱えた人間が、何らかの成功体験を目指して奮起するということは、実際にはあることだ。(場合によっては依存症などのケースが関連する)「若い女性をほしがることは、男性の劣等感や社会への復讐と深く関連がある」という内容はABCにあたる部分で、発信者の須藤エミニ氏が、自らの体験や学習によって身に付けた価値観、考えだといえる。これに対し、数多く付いたリプライは、須藤氏が見落としている視点によるもので、図解で言うDからKにあたるものだ。

 「勝手に決めつけるな」というリプライは特に数多く見られるが、特に「劣等感」「社会への復讐」という人間の感情・行動は、原因や背景はもっともっと複雑だ。それを、A~Cの狭く限られた価値観で、しかも男性をバカにするような言葉で表現すれば、当然D~Kの(A~Cとは異なる)視点を持つ数多くの人からは反感を買うものだ。

 

【事例③】

<参照元:“男性による女叩き”と“女性による男叩き”の違いとは?(藤本シゲユキ)〔YouTube〕>

《発信者・ABC》視点(動画の発言から要約抜粋)

・このテーマは、「未熟な男性性」と「実体験の声を持つ女性」という構造的な問題である。

・男性による女叩きは、「主観・感情・妄想」のセットであり、感情的な叩きであることが多い。これらは怒りや劣等感の投影である。

・女性による男叩きは、リアルな実体験(被害)が元になっていることが多い。それらの実体験は、家父長制の名残り、ジェンダー役割の押し付けなども含まれ、社会全体への失望や怒りという面もある。

・まともな男性の絶対数が少ない。

・女性達が男叩きをして怒っているのは、自分達が優位に立ちたいんじゃなくて、これ以上傷つきたくないという心の叫びである。

・世の男性達は、信頼できる人間関係を築く力を育てていかなければならない。

《世間の大勢の人・DEFGHIJK》視点

 読者のみんなは、動画投稿者の発している《発信者・ABC》視点を読んで、どう感じただろうか?リンク先の動画をご覧になった方は、どう思っただろうか?

 なお、この藤本氏は「リアライフカウンセラー」という肩書を自称しており、WEB上でオンラインサロンを開いている。そして、ミュージシャン、ホストクラブの経営、会社員などの経歴を持つようだ。(YouTube動画のチャンネル説明からのリンク先にそれらの説明がある)

 それでは、この事例に対して、《世間の大勢の人・DEFGHIJK》視点にあたる点を挙げていこう。

 《発信者・ABC》視点にあたる内容は、勘の良い方はすぐにわかると思うが、(当記事公開の2025年時点で)主に50代以上に該当するような、年配の一部の男性の特徴に限られている。その大きなヒントになっているのが、「家父長制の名残り、ジェンダー役割の押し付け」という部分であり、これは主に昭和の世代の男性が、女性を大切にしてこなかった歴史があるのは事実である。

 しかし、特に若い世代を含め、男性全体を見れば、そのような愚かな男性が全てではない。

《発信者・ABC》視点にはなく、《世間の大勢の人・DEFGHIJK》視点にあたる中枢部分は以下になる。

 

・全ての男性が未熟で、「主観・感情・妄想」で女性を叩いているというのは事実ではなく間違い。

・異性を叩く行動の動機が、「リアルな実体験(被害)が元になっている」のは、女性だけではなく男性も多数いる。同じように、「主観・感情・妄想」で男性を叩く女性も多数いる。

(このように言いきってしまうことは、男性は実生活で何らかの被害に遭うことはないという『否認』『黙殺』にあたるものであり、男性差別を誘発することと同様である)

・「まともな男性の絶対数が少ない」と言い切ることに対し、根拠やエビデンスを示していない。また、“まともな人”というのが具体的にどのような人間像を指すのか、まともな女性の絶対数は男性と比較したらどうなのかという点も考慮が必要である。

・「信頼できる人間関係を築く力を育てていかなければならない」ことは、男性も女性も同様。

 

 ざっと挙げるだけでも、以上のような視点、考え方がある。

 それでは、「リアルな実体験が元に女性を叩く男性の存在」や、「主観や感情や妄想で男性を叩く女性の存在」などなど、《世間の大勢の人・C~K》にあたる事例はどんなものがあるだろうか。

 これはおそらく、読者のみなさんも多数思い当たるものがあると思うし、もうあまりにも例が多すぎる。今日の内容に関連するものとして、以下に六つ紹介しよう。

 

<参照元:妻の暴言「お前はATMだ」 男性のDV被害相談が最多 男女平等意識高まりで顕在化(togetter)>

(注釈:この記事は元々産経新聞WEB版のニュースであるが、元記事はもう削除されているので、代わりに内容を紹介している別サイトが上記のものである)

 

<参照元:「何度、農薬やロープを持ち出したことか…」“頂き女子りりちゃん”に3800万円を騙し取られた50代男性「月給20万円」「自宅はゴミ屋敷」の困窮生活(デイリー新潮)>

 

<参照元:「ロリコン扱い」男性保育士が直面した壁(プレジデントオンライン)>

 

<参照元:【実体験】彼氏いるけど婚活するのは問題なし!結果的に結婚相談所で結婚する人が多い理由3選(みんなの婚活体験談)>

 

<参照元:X(旧ツイッター)のポスト(主観や感情や妄想で男性を叩く女性の例)>

〔ご機嫌な女がいいとかいう男。お前が女をご機嫌で居させるんだよバーカ〕

 

<参照元:X(旧ツイッター)のポスト(男性の被害がないもののように扱われる例)>

〔『痴女から性被害を受けたことがあるから性犯罪に男も女も関係ない』という旨のポストをした男性がここまで罵倒されるの凄い。

「AVの見過ぎだろwww」

「粗末なちんこ」

「糖質w」

「チビだから女性の腰にちんこ当たるのでは?」

「意外とあるとか言ってるチー牛いてたまげるw」

二次加害の嵐すぎる〕

 

【まとめ】

 読者のみんなもよくご存じだと思うが、人間の考え方や経験は様々で、世界は狭いようで広い。もはや、ネット上の発言で全く批判されず、誰もが納得する意見を述べることなどはほぼ不可能といってよいだろう。(ただし、本記事で紹介した事例の肩書である「フェミニスト」「カウンセラー」をはじめ、一定の役割や地位を持つ者が情報発信する場合は、情報の正確さや平等性が求められるのは言うまでもない)

 この記事においては、主にネット上の言い争いや、他者との考えの違いで衝突することが、どんなメカニズムで起こっているのかを明らかにする狙いもあったものだ。生きていれば気に食わないものと出くわすことはいくらでもあるが、楽しいことにも目を向けて生きていくことも忘れないでおきたいものである。

(作・イキルちえ)

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