生きる知恵

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「どうすれば良いのかわかっているけどできない」の状態との向き合い方、解決方法

 さて、みんなは日々の生活で、“やることはわかっているけどできない” ということがあるだろうか。今日の話は、メンタルヘルスの基本ともいえる話である。

 人間の生活では、様々な困難に直面することが誰にでもある。それに対し、おおまかには以下のような順番で乗り越えることになる。

①困難を乗り越える方法を考えて決める

②その方法を決めて実行する

 ①と②は、どちらも簡単にはできない場合もあるが、決定的に違うのは、①は他人から方法を聞いて知ることができるが、②は自分で行動しなければならない点にある。

 例えば、寒さに強い体になりたいがどうすれば良いかわからないとする。体が温まる食べ物を食べる、筋トレをする、定期的に足湯に浸かるなど、方法は他人が教えてくれて解決することもあるだろう。しかし、②の実行することは、自分自身でやるしかない。

 実は、この“どうすれば良いのかわかっているけどできない”という状態は、人間にとって非常に難題になり得るものだ。大きなストレスもかかる。そこで今回は、具体的な例題を三つ挙げて、“どうすれば良いのかわかっているけどできない”に対する解決アプローチを記述していく。よかったら参考にしてくれ。

 

(例題1)仕事が変わり、前より早起きしないと朝の準備が間に合わない状況になった。でもできない。

※わかっている方法(前日早く寝る。前日のうちに朝食を作っておくなど、できる限り準備しておく)

 このケースは他者が関わっていないため、自分のやり方とペースで工夫すれば解決が可能である。前日に早く寝て睡眠時間を確保できれば解決可能ということが明確であれば、そこに絞って打開することができる。

 時間枠が関わる「わかっているけどできない」という状態の時には、一つ決めた時間を軸にすることがカギとなる。例えば、21時を軸にして、「21時前、あれとこれは必ずやっておく」「21時以降、あれはやっていいけど、これは絶対にしない」などの決め方だ。

 そして、決めたことを一度に全部できなくても良い。できなかった時に自分を責め過ぎないことも重要だ。生活リズムに関することは、時間をかけて少しずつやっていけば、必ず体は慣れていく。

 

(例題2)どうしてもSNSばかりやってしまう。特に自分の気に食わないコメントに対して反論したくなり、誹謗中傷になるとわかっていてもついやってしまう。やめたいけどできない。

※わかっている方法(スマホ利用を減らす。他の趣味などの楽しみを探してやってみる)

 現代はこういう人は非常に多いと思われる。こういう場合は、例題1よりも、自分自身のメンタルや価値観と向き合う必要性も出てくる。

 物理的にスマホから距離を置くことだけで解決するのは、おそらく難しい。スマホはSNSに限らず、生活に密着していてあらゆる場面で使うことがあるからだ。

 この場合に「わかっているけどできない」の行動を生じさせているのは、他者の“言葉”である。SNSは言葉の集合体だ。そして、他者の言葉に対して、自らもコメントで反論したくなり、その行動を止めるのが難しいと感じるならば、『自分はどのような言葉を他者からかけてもらえたら嬉しいのか、心地よいのか』という部分に焦点を当てる必要がある。

 事前にわかっている方法(スマホ利用を減らす。他の趣味などの楽しみを探してやってみる)だけに注目するのではなく、言葉の質と、自分がどのような言葉の質に反応するのかを考えてみることがポイントだ。

 他者を攻撃する誹謗中傷が悪いことだというのは、ほとんどの人が理解していることだし、こういうケースの際は、すぐにこの行動をやめるのは現実的には非常に難しい。遠回りなようでも、言葉の質という部分を自分でじっくり考えることが「わかっているけどできない」の解決につながっていく。

(ただし、よくニュースなどで報道されるように、本当に悪質な誹謗中傷を行って逮捕されるに至って、初めて事の重大さを知って「わかっているけどできない」が止まるということもあるものだ。こういう、他者を攻撃する質の「わかっているけどできない」は、常にリスクを伴うものであることは充分に肝に銘じておかなければならない)

 

(例題3)婚活でお見合いをした時、どうしても相手の欠点ばかり見えてしまい、指摘してしまう。良い部分を見ることが大切なのはわかっているけど、できない。

※わかっている方法(相手の良い部分を見る)

 このケースの場合は、リアルに対面した人間関係が関わるものだ。婚活以外でも、友人同士、恋人や夫婦、仕事関係などでも当てはまることもあるだろう。

 これが上記に挙げた例題2と異なるのは、相手に対する思い入れの度合いの違いだ。例題2では完全に他人のネット上の相手だが、この場合は、生涯のパートナーになる可能性のある婚活相手なので、相手に対する思い入れや期待が大きく増幅する。つまり、相手の欠点も、長所も、自分自身の生活に密着した感覚として増幅された状態で心に届いてくる。欠点ばかり指摘したくなる正体の一つがこれだ。

 この他に、「結婚を失敗したくない(失敗に対する恐怖)」「良い人生を送りたい(本能に即した願望)」なども、欠点を指摘したくなる背後の心理状態として関わっている。

 ポイントとしては二つだ。一つは、『そもそも他人は、自分の思い通りにはならない』という基本の視点。もう一つは、『欠点は自分にもある』という、自己を客観視する部分だ。

 しかし、それでも、相手の欠点ばかりに目が行って指摘してしまい、全然成婚できなかったら?

 まだ、アプローチ方法はある。

 それは、「思い入れの分量を減らす」ことだ。前述したように、他者の欠点が強く目に留まるのは、人生がかかる結婚という関係性のため、思い入れが増幅した状態で自分の心に届くからだ。具体的な思考・行動例としては、「運が良かったら結婚できるかも位の気持ちで婚活しよう」位の気持ちでお見合いなどをしてみることだ。思い入れの分量を落とすと、心は身軽になる。そうすると、以外に相手の長所の方がよく見えてきたりする。

 

 例題ごとの解説は以上だが、あと一つおまけを記載しよう。

 どんな場合の“やることはわかっているけどできない”に対するアプローチとして、共通の注意点がある。それは、『詰め込み過ぎ注意』だ。

 人間は人それぞれ、物事を同時にこなせる分量というものは決まっている。その分量は、それまで培った経験、知識、知恵、体力などで決まってくる。

 “やることはわかっているけどできない”という時、その「やること」を、詰め込み過ぎないことだ。人間は誰にでも欲があるので、気をつけないと「やること」にたくさん詰め込み過ぎてこなしきれないということは誰にでもある。生きていく上で、自分がこなせる物事の分量を調節してこなすことを覚えるのはとても大切なことだ。

(作・イキルちえ)

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