生きる知恵

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「昔は良かった」と頻繁に言う人

 さて、みんなは「昔は良かった」と頻繁に言う人が周囲にいるだろうか。わりと多くの人がこのように感じることは自然にあるとは思う。なんせ、小学1年生の子どもが2年前の時を指して「昔は良かったなあ。保育園だったら昼ごはん食べたらのんびり昼寝ができたのに」と言ったりすることもある。

 昔は良かったと過去を振り返るのは悪いことではない。しかし「昔は良かった」と過去にとらわれ過ぎると、自分自身だけでなく、周囲にも思わぬ悪影響を及ぼすこともある。今日はそういったことを考察する。

 「昔は良かった」と頻繁に口にする人には、二通りの傾向がある。

 一つには、現実逃避の意味合いを含んで、「昔は良かったなあ」と頻繁に独り言のように自己に向けて言うタイプ。このタイプの場合は、他者に害を及ぼすことはあまりない。問題は次の場合だ。

 もう一つは、昔自分自身が楽しく生きていた時代、時期を中心に物事を考え、他者を認めようとしないタイプの人である。

 例えば以下のようなものだ。

 「昔はさー、社会人2年目で結構いい車買って乗り回してる若い男の人たくさんいたんだよ。それで私もデートで海までドライブに連れて行ってもらって、ディナーも2万円位のやつおごってもらったりとかさ。昔は良かったなあ」

 特に中年世代以上の人から、このような言葉を聞いたことのある人はかなり多いと思う。これだけであれば本人が思い出を語っているだけなので、聞いていてうんざりする面があるとはいえ、直接他者を巻き込んでいないのでまだマシである。しかし、話が以下のように続く場合は要注意だ。

 「あんた車は何乗ってるの?〇〇?俺なんか昔は〇〇乗ってたよ」

 「あんた男(女)にどんな所にデート連れてってもらってるの?〇〇?そんな所行ってるの?私そんな所に連れてってもらったことないよ」

 この2パターンは、「昔は良かった当時の自分」と、他者を比較した物の言い方をしている。こういう言い方をされて気分の良い人はおそらくいないだろう。特に多いのは、40~70代の人が、自分が10~30代の頃の思い出を美化して語るパターンである。

 一つのエピソードとして客観的に聞いておくだけなら、何の問題もない。しかし、こういう話を聞くと、人間は無意識のうちに、話の内容と今の自分自身を比較してしまいがちになる。そうなると、現実の自分の状況から乖離してロクなことにはならない。

 賢くて、物事の本質を捉えることができて、相手の目線に立って物事を考えられる人は、自分から昔話をすることはあまりない。他者と会話をしている時に、常に“今現在”の視点を持って語ることができる。そういう人の言葉は説得力があり、結果を伴っていることも多い。周囲にいる人をよく見て、そのような信頼できる人を見極めることができれば、より人生も豊かになるだろう。

(作・イキルちえ)

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