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「困難女性支援法」がバッシングされる理由

 さて、みんなは「困難女性支援法」という法律が2024年4月から施行されるのをご存じだろうか。(正式名称:困難な問題を抱える女性への支援に関する法律)今日はこのことについて簡潔に述べていく記事である。

 この困難女性支援法は、発表されてからツイッター(現X)などをはじめ、ネット上でかなり批判(誹謗中傷のようなものも含め)されている。困難女性支援法の詳細内容や、どのような批判が起こっているのかは、詳しく書くと長くなるのでごく簡単にまとめると以下のようなものだ。

 困難女性支援法とは、『「性的な被害、家庭の状況、地域社会との関係性その他の事情」により困難な問題を抱える女性の福祉の増進を図る。』ことを目的とした法律である。

 そして、問題点や批判の内容としては、主に以下のような点が挙げられている。

①どんな女性を対象にどこまで支援を行うかなど、境界線が不明瞭で、弱者ビジネスを増長させるという指摘

②年齢、国籍、障害の有無などを問わずに支援対象にしている所

③売春や性の視点に関する問題(主に、女性が売らなきゃ男性は買えないという指摘)

④colaboの不正会計問題

(colaboとは、虐待や性被害などを受けた少女達の支援を行っている一般社団法人で、代表理事の仁藤夢乃氏が困難女性支援法の有識者会議構成員にも名を連ねている。このcolaboが、東京都監査委員の調査を受けて不正な経費計上を行っていたことが発覚して騒ぎになったもの)

 概要としてはざっとこんな感じである。一応以下に三つ参考URLを記載しておくが、調べればもっと多くの有意義な情報はあると思うので、興味があればみんなも探してみてくれ。

<くつざわ亮治氏ブログ「困難女性支援法が激ヤバだった20230116」>

<【どうして女性支援の政策が必要なのか】NPO法人ウイメンズアクションネットワーク>

<困難な問題を抱える女性への支援のための施策に関する基本的な方針(厚生労働省)>

 この困難女性支援法は非常に多々問題があるのだが、わかりやすく記載していこう。

 例えばみんなは、こんな状況に置かれたらどう思うだろうか。

 

 あなたは職場で暴力を受け、瀕死の状態になり、今すぐにでも救急車を呼んで病院に連れていってほしい状態だとする。ところが、隣の職場で働く人が「働き過ぎて疲れたから食べ物持ってきてよ」と訴えている。すると周りの人達は、隣の職場の人に次々と食べ物を運び手助けを始めた。瀕死のあなたには何もしてくれなかった。

 

 困難女性支援法に対して起こっている批判の状況、今の世間の実情は、こういう構図なのだ。

 現実的には、均等なペースで全ての人を助ける策を行うのは非常に困難だ。医療の世界ではトリアージ(傷病の緊急度や重症度に応じて治療優先度を決めること)によって治療が進められるが、この困難女性支援法は、これまで支援が手薄だった部分を改善して、新たな形で施行されたものである。(具体的には、売春防止法及び婦人保護事業から課題を抽出して練ったもの)

 しかし、現状の女性支援策というのは昔に比べて非常に手厚くなっている。逆に、男性特有の大きな社会問題は数多く放置されているのが現実だ。これに加えて、困難女性支援法を施行するにあたって、「なぜ男性支援を放置するのか」という明確な理由が一切述べられていないのが特に問題で、これが特に炎上のきっかけになったと考えられる。

「この女性支援はこれまで実現できなかった重要なものなので行いますが、必ず男性に必要な緊急的な支援も〇〇までに必ず行いますから、すみませんがもう少しだけお待ちください」といった謙虚さのある理由を発表していればだいぶ違ったのだが。(それでも批判はされるだろうが)

 

 最後に、放置されている男性の深刻な問題の統計データをいくつか紹介しておく。こういった問題は非常に数が多いのだが、ここでは三つに絞って紹介する。

①ひきこもりの男女割合(男性6割、女性4割)

<参照元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000073259.html(NPO法人ニュースタート様)>

②ホームレスの男女割合(男性9割以上)

<参照元:https://www.mhlw.go.jp/content/12003000/001089861.pdf(厚生労働省)>

③自殺者数の男女割合(男性約7割)

<参照元:https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/jisatsu/H29/H29_jisatsunojoukyou_01.pdf(警視庁)>

(作・イキルちえ)

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