さて、みんなは昨今よく話題に挙がる「家事育児の分担」についてどう思うだろうか。かつての“男は仕事、女は家事”という単純明快な役割分担がすでに崩れている現代、今後もこのテーマは常に話題に挙がるだろう。しかし結婚して夫婦で暮らしていく場合、この問題解決はそう難しいことではない。客観的かつ正確な、それぞれの労働強度指数を元に分担を決めるだけである。
例えば、家事、育児、仕事(生活費確保)の総数が100だとする。夫婦2人暮らしなら、1人50ずつ分担して行えばよい。たったこれだけで済む話なのである。そこで大切になるのは、それぞれの家事や労働にかかる強度を正確に把握して、夫婦二人で平等にこなすことだ。
そこでこの記事では、基本的な家事や収入ごとの仕事の労働強度を綿密に計算して一覧表にする。今回は、子どもなし世帯、夫婦2人暮らし編なので、育児は含まれない。育児(子育て)は世間が思っている以上に重労働であり、計算式も複雑になるのでまた次の機会とする。それでは、その労働強度指数は以下の通りである。
補足
(1)食事、掃除については、凝ってやればキリがないもので、やり方次第で数値はかなり変動する。
(2)その他業務は、雪国の冬季期間は+30とする。住んでいる地域の天気、降雪量などに応じて調節すると良いだろう。
(3)仕事、年収100万、200万が、300万以上と比べて下げ幅が大きい理由は、労働時間が短いのと、正社員でないため責任が軽いため。
(4)仕事については、基本的に年収と指数は比例するが、例外も多々ある。教育、一部のサービス業、危険を伴う仕事などは指数はもっと上がるだろう。
これは、多数の生活様式と、客観的データを基に算出したものであり、多少の誤差はあってもかなり正確な数値だと思う。数値計算にあたって、その業務の強度に加えて、かかる時間(拘束時間)も考慮している。
仕事より家事の数値が低すぎるのではないかというご意見があるかもしれないが、断言する。低すぎることはなく、この数値が妥当である。
なぜか。仕事には、上司、同僚などの人間関係があり、責任がある。基本的に“失敗できない”というプレッシャーの中で日々働くのが常である。しかし、家事にはそういったプレッシャーが一切ない。好きな時に休憩できるし、少し失敗してもどうってことはない。米を炊くときに水の分量を間違えたり、風呂掃除に間違えてトイレの洗剤を使ってしまっても、生活にはほとんど影響はない。
分担の一例としては、夫、妻共に、正社員フルタイム勤務で年収300万円だとすると、家事は同じ数値で折半すれば良いことになる。家事指数の合計は78で、食事と掃除の合計が38である。ちょうど約半分を食事と掃除が占めることになる。なので、「夫が食事と掃除を担当し、それ以外の家事を妻が担当」というのは一例だ。
あとは、お互いの得意不得意も鑑みて、よく話し合って決めることである。取り組む内容が明確になってスムーズに生活をやりくりすれば、より充実した生活基盤になるだろう。
(作・イキルちえ)
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