生きる知恵

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「幼い少女が出るアニメが好き」こんな人と会ったらどうする?(子どもの人権、性犯罪、婚活などの関連記事)

 さて、みんなはどんな趣味を持っているだろうか。好きなものは人それぞれで、人生の余暇を楽しむ手段は様々であるが、日本のアニメやゲームは世界一の市場規模を誇り、数多くの人が好んでいる。そしてアニメやゲームは、作品によってはかなり低年齢の幼い少女のキャラクターが登場する作品も多く、こういった傾向は日本特有のものである。日本にはロリコン文化が根付いていると言われることもあり、かなり以前から多くの論争を巻き起こしてきた。今日はこのことについて考察していく記事である。

 まず最初に、一つの事例を紹介する。

 

 A子(30代)は、知人を通じて知り合った同い年のB男(30代)と、数ヶ月の交際の末に結婚することになった。お互い信頼関係も築かれていて仲も良く、結婚に向けての準備も順調に進んでいる。

 ただ、一つA子には心配なことがあった。それは、B男が幼い少女が多く登場するアニメやゲームが非常に好きであり、休日の時にはアニメやゲームに没頭することが多い。とはいえ、A子との交際開始後は、ちゃんとA子と過ごす時間は確保してくれて、仕事も真面目にやっているので一見問題はなさそうである。しかしA子から見ると、かなりそういった趣味と少女キャラにのめり込んでおり、将来子ども(娘)ができた時にB男はどういう感情を持つようになるのか心配な気持ちを抱えている。

 

 この事例を読んで、あなたはどう思うだろうか。

 A子としては、少女キャラクター好きのB男が、将来娘ができた時に、娘を恋愛・性的対象として見るようになってしまうのではないかという心配を持っているわけである。しかし、今後どうなるのかは現段階ではわかりようもない。

 人との出会いや、結婚のような人生の転機は、得てして突然訪れることも多い。そして、結婚や子育てという観点でいえば、父親が娘を恋愛や性的対象として見て接することは絶対にあってはならないことだ。

 その上でだが、数々の性逸脱行動や性犯罪などの犯罪心理学に関する文献を読む限り、道を踏み外してしまう人を事前に見極めていくのはとても難しい。ただしヒントとして、『世の中のコミュニティから外れ、かつ、社会性が著しく身に付いていない人』が、性逸脱行動や性犯罪の道に転がり落ちる傾向があることは読み取れるものだ。少女のキャクターが登場するアニメやゲームを好む人全員を、危険人物と決めつけてしまうのは安直である。趣味趣向を持ちながら健康で安定した生活を送っている人は、仕事、家族、友人等が関わる何らかのコミュニティに所属し、自分なりにバランス良く人間関係を調整しながら社会生活を送っている。

 つまり、A子とB男の事例のように「この人大丈夫かな・・・」という場面に遭遇した場合、相手が、社会でそれなりの人間関係を築いて生きているかを見るというのが一つの指標になる。ただし、街中を一緒に歩いていて幼い女の子ばかり目で追っていたり、児童ポルノのような物を視聴していたりしたら、交際終了も視野に入れて相当に慎重な判断が必要である。

 

 次に、人間の本質的な部分から述べていこう。

 基本的に、男女共、若く活力のある異性は好きなものである。これはもう、変えようがない。メディアが若くて格好良い、かわいい人をこぞって取り上げるのも、人間が本能的にそういう若い人に惹かれて見てしまうことをわかっているからである。

 そして、日常的な身近な例を挙げてみよう。

『年配の女性ばかりの職場に、10代、20代の若い男性が入ってきたら・・・?』

『年配の男性ばかりの職場に、10代、20代の若い女性が入ってきたら・・・?』

 その場は光が差し込んだような明るさになって、雰囲気はがらっと変わるだろう。

 そして、若い人を対象とした感情(疑似恋愛、憧れ、羨望など)の入る趣味趣向は、アニメ、ゲーム以外にも、アイドル、ジャニーズ、芸能人、お笑い芸人、俳優、女優、スポーツ選手、キャバクラ譲、ホストなどなど、非常に多岐に渡る。こういったものを自分の生活の一部として好み、生きる支えになっているのは、男女問わず多くの人がそうである。

 さらに数々の子育ての現場においては、男性が「女の子ってかわいい」と思い、女性が「男の子ってかわいい」と思い、感じるのは、言葉にするしないにかかわらず、ほとんどの大人がそう思っているものである。

 アニメ、ゲームに絞った視点で考えると、技術の進歩との関連もあるだろう。優れた映像制作が可能になり、“幼い、若い少女が躍動するアニメやゲームがほしい”という欲求を実現できるようになったから、この世に登場するようになったといえる。人が欲しがる便利なものがどんどん作られる人間社会の宿命でもある。

 ただし、もっと本音の部分では、いかに作り物のアニメキャラといえども、成人男性の好みの対象が少女であるのは、多くの人は嫌悪感に近い感情を抱くのではないか。人間としての本能や心理学的な背景があるにしても、人間は、自分の理解できないことを受け入れるのは非常に難しいものである。そこで、オレなりのヒントにつながる分析を、冒頭に挙げたA子とB男の事例を元に記述してまとめようと思う。

 もしA子とB男に子どもができたら、二人は子の親である。子どもを性的な目で見て関わるようなことは絶対にあってはならない。これが大前提だ。そのためには、夫婦二人で、子育て方針と生活設計について充分にコミュニケーションを取る必要がある。要は、多くの親が当たり前にやっていることをしっかり行うことだ。「少女が出るアニメなんか見るな」と感情的かつ攻撃的に言うだけなのは、コミュニケーションとは言わず、関係が悪化するだけである。

 そして、仕事、家事、育児などを二人でよく話し合って分担しながら協力して生活を共にする中で、自分だけの趣味の時間もお互いを尊重して確保できるように努める。このバランス感覚は非常に大切だ。家族関係は非常に密な関係になるので、特に関係が悪化した場合は、自分だけの時間が確保されていないと息苦しく感じるものである。

 そしてここからが重要なのだが、B男がアニメやゲームを楽しむ時間を、生活が破綻する程にのめり込んでしまわないか、しまっていないか、気を付けるポイントはここである。見極めのサインは、『収入を大きく超えるアニメなどに対するお金の使い込み、睡眠時間を削る、食事も忘れる、仕事に支障をきたす、忘れ物が多くなる、長時間部屋に籠るようになる』などである。健全な精神状態で趣味を楽しむ人は、こうなることはなく、好きなものが少女キャラであったとしても、実在の娘を性的対象として見る可能性はおそらく低い。しかし、生活が破綻するほどにのめり込む傾向がある人は、要は自分自身をコントロールしきれていない。自分をコントロールできていない人は、実の娘も性的対象として見てしまう危うさも抱えている可能性がある。

 いずれにしても、基本として大事なのは、本人と冷静に向き合いコミュニケーションを取ることである。

 ここで最後に記述したことは、オレ自身が分析できることの範囲内なので、絶対うまくいくと断言はできない。人間の性に関わる研究は未知数な部分も多い。しかし、オレなりに多数の人を見てきて経験を積んできた中で感じてきたことで、大きく外れてはいないと思う。

 今回はなかなかの難題でおおっぴらに話しにくい話題でもあるが、これをヒントに、少しでも多くの子育てしている人や子ども達の健全な成長に一役買えればと思い、記事にすることにした。ではまた別の記事で会おう。

(作・イキルちえ)

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