さて、みんなは16歳の青年のことを何と呼んでいるだろうか。20歳の女性のことを何と呼んでいるだろうか。今日は周囲の人と良い関係を築くための、とても重要で、かつ実践が簡単な話である。特に若い世代の人と関わりが多い人には役に立つと思う。
(本題に入る前に、かつては20歳以上が成人であったが、2022年4月1日に民法が改定され、18歳以上が成人の扱いになると変更されたことを記載しておく。)
友人、知人、仕事仲間、仕事の顧客、恋人、家族など、人と良い関係を築くための基本がいくつかある。その中でも、“相手の名前を呼ぶ”という行為は、シンプルでありながら重要度が高い。理由は至って簡単で、自分の名前というのは、自分自身が最も馴染んでいて、自己の存在価値そのものだからだ。お相手の名前を呼ぶことで、お相手の存在価値を高めることに繋がり、それは信頼関係構築の第一歩となる。「承認欲求」「返報性の法則」といった心理作用も深く関わっている。
【承認欲求:自分の存在や価値を、他者や社会に認めてほしいという欲求のこと】
【返報性の法則:相手から何かをしてもらった時「自分も同じようにお返しをしたい」という気持ちが起こる現象】
さらに、名前の呼び方として、年齢に応じて相手を尊重する呼び方を心がけたいものである。呼び方次第では、信頼関係構築どころか、マイナス作用がはたらく場合もあるからだ。
推奨するのは、成人の18歳になるまでは「君、ちゃん付け」で呼び、成人したら男女共「〇〇さん」という呼び方に統一するものである。
「〇〇君、〇〇ちゃん」という呼び方は、子どもらしく、愛着を持てる呼び方として浸透しているので、子どものうちはこれで良いだろう。ただし、成人した相手に対しては、〇〇君、〇〇ちゃんという呼び方は、基本的には避けた方が良い。呼ぶ方が、年の離れた大人であってもだ。
「〇〇君」「〇〇ちゃん」という呼び方(呼ばれ方)は、誰でも生まれたばかりの赤ん坊の時から、ほとんどの人が呼ばれ慣れている。そして、大人の側でも、“子どもの呼び名”という感覚が身に染みついている。
つまり、呼ぶ方、呼ばれる方お互いに、明確な立場の違いと距離感があるのだ。これは、お互い理解し合い、信頼関係を築く場合には障壁になる可能性がある。よく、30歳や40歳を過ぎたような人を「〇〇君」「〇〇ちゃん」と気軽に呼んでいる人がいるが、これはあまり感心しない。お互いの関係性にもよるのだが、呼ばれる本人が内心ではイヤがっていることも結構ある。
「〇〇さん」という呼び方は、相手を大人として尊重し、対等に良い関係を築くことにつながりやすく、呼ばれる方も「自分は大人なんだ」という自覚を持ちやすい。
ただし、呼ぶ方が、相手のことを幼い頃から知っているような長い付き合いで、ずっと「〇〇君」「〇〇ちゃん」と呼んでいるような場合は別だろう。長い期間で信頼関係も築けているだろうし、成人して急に「〇〇さん」と呼び始めたら、それは逆に不自然だ。あるいは、本人に何と呼ばれたいかを確認してもよいだろう。
次は、名前を呼ぶ行為そのものの大切さだ。特に婚活や恋愛などの、相手と親密になることが目標の人間関係では特に重要となる。お見合いや初デートの時などでお相手と話す際、名前を呼ぶことができていない人はとても多い。
名前を呼ぶという行為は、「あなたとしっかり向き合っています」「あなたのことをもっと知りたい」という意識を、相手の心に届けることができる。逆に名前を全く呼ばないと、お互いの距離感は遠いままだし、「この人は自分と向き合っていない」とネガティブな印象を与えることもある。
余談だが、実力のある営業職などの人は、顧客の名前をすぐに覚えて、商品を売り込む際に意識的に「〇〇さん」と名前で呼ぶことを心がけている。これはホストや風俗嬢などもそうである。こういった人達は、親しみを持って名前を呼ぶことが、良い関係性になって商品を買ってくれたり、顧客になってくれるということをプロとして理解しているからだ。
名前というのは、その人を象徴する響きであるため、たかが呼び方とあなどってはいけない。お互いの人間関係にかなりの影響がある。このことを知っていれば、良い人間関係構築に役立つだろう。
(作・イキルちえ)
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<この記事は、2025年11月12日に加筆修正しています>