生きる知恵

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男女の問題、ジェンダー論(概要)

 さて、みんなは周囲の友人、知人等と、どの位男女にまつわる内容の会話をしているだろうか。友達、恋人、配偶者等のことで、悩みがあったりするだろうか。世の中は常に、男女にまつわるニュース、話題、課題で溢れ返っている。人間には男と女の性別があり、また近年はLGBTの人権意識も高まり、オレ達が生きていく上でジェンダー論は欠かせない視点といってよいだろう。

 本記事では、男女の問題、ジェンダー論について、世の中の様々な意見、専門的視点も取り入れながらも、本ブログ「生きる知恵」ならではの独自の視点も合わせて概要としてまとめていく。

 

 男女の問題は、人間の生活全てにおいて密接に関わっている。多くの場合、男対女という構図で、分断された形で異なる意見がぶつかる形となり、決着点を見出すことが難しい場合も多い。「なんで男ってこうなのか」「なんで女ってこうなのか」「本当にしようもない」そう思う瞬間は、おそらくほとんどの人が経験していることだろう。

 さらに、現代のネットやSNSの普及により、皆誰もが個人の意見、感情を発信できるようになったことで、個々人の男女観、ジェンダー論が溢れ返ることになり、火種がそこら中に散らばっているようになった。これが現代の状況である。

 おそらく、男女の問題になると頭に血が上るようになる人も多いと思う。冷静な思考力を失ってしまっては何の解決にもならない。正しく概要を知れば冷静な判断もできるようになってくるので、これまでの歴史におけるジェンダー論をごく簡単におさらいしておこう。

 

・昭和の後期頃までは、家父長制、男女分業(男性は仕事、女性は家事育児)が基本。女性の社会進出の低さはこの当時から課題に。

・一般層にも身近で、現代のフェミニズム運動の始まりとされるのは、1970年代のウーマンリブ。女性が男性と平等な権利を求め、男性と対等の地位で、自分自身で職業や生き方を選べる自由を獲得しようとする社会運動のこと。この当時、欧米主要国は、男女平等の労働条件と、男女共に長時間労働の抑制に舵を取ったが、日本では「男性の長時間労働」「女性の家事育児負担と子育て後の非正規労働」が確立され、それが後々に様々な影響を与えることになる。

・1985年に男女雇用機会均等法が施行。労働者の採用、待遇などにおいて男女で差をつけることが禁止になった。

 

 昭和の中期頃までは、男は仕事、女は家事育児、それ以外の生き方は例外で基本認められないという価値観のみだったわけである。役割を固定化すると、個人に起こる悩みはほぼ一方向に帰結する。つまり、男性は「オレの人生は、ただ働き続けるだけで終わるのか」女性は「私の人生は、ただ家事育児するだけで終わるのか」といった具合である。これはこれで息苦しいものなのだが、「男はこうするべき」「女はこうするべき」という、男女の役割を問い直す議論は、役割が固定化されている限り起こる余地がない。

 この固定化された役割を崩して、男女平等にして、個人がそれぞれに自分なりの生き方を追求しようという方向に世の中が動き出したのが1980年代頃からである。この転換期は、バブル崩壊、その後の景気低迷とも密接に関わっている。

 その後、男女の固定化された役割は徐々に柔軟化されるようになり、一定のレールから外れた生き方も徐々に許容される世の中に変容していくが、経済は30年以上停滞するようになり、生きにくさは増し続けることになる。

 世間の多くの人は、18歳を迎える頃には学生生活が一区切り、あるいは佳境を迎えて、世の中を広く見渡すことができるようになると思う。その年齢の頃、ほとんどの人は「良い異性と出会いたい、恋愛したい」「結婚ってどんなものだろう」「良い人生を送りたい」こういったことを多く考えるようになるはずだ。ところが世の中を見渡すと、いつもお金がなくて生きにくいし、良い異性となかなか出会えないし、出会えても「自分はこうしたいのに、相手がこうしてくれない」などのすれ違い、意見の衝突ばかり。そしてネット上では、男女の争いにおける罵詈雑言で溢れている!これが現代なのである。

 現代は、男女平等である。人間が生きやすい社会を作る上で、この着地点を目指すのは間違っていない。しかし、男女平等を目指せば目指すほど、人間は、異性を見る目、異性に求めることがどんどん大きくなっている。今の所、日本人は賢く立ち回れていないようだ。

 とはいえ、個人の感覚、いわば一人一人が、異性の友人、知人、家族などを大切にして、良い人間関係を築くことは充分に可能だ。そのためには、人を大切にする力を身に付けて、正しい情報を知ることが何より大切だ。

 男女間の問題、ジェンダー視点における問題は、今多々起こっている。それは今後の記事で少しずつ取り上げることにしよう。

(作・イキルちえ)

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