さて、みんなは今恋をしているだろうか。昨今よく報道されている「若者の恋愛離れ」についてどう思うだろうか。
確かに、「恋愛が面倒くさい」という若者の声はよく耳にする。男女の特徴を“肉食系”“草食系”などと例えられたりもする。「恋愛・結婚調査2021(リクルートブライダル総研調べ)」によると、20~40代未婚男女で恋人がいない人の割合は、男性は69.3%、女性は63.1%である。
<参照元:https://souken.zexy.net/research_news/love.html>
だが、はっきり言おう。若者に限らず、人が、自らの意思で恋愛から離れていると考えるのは間違いである。なぜか。人間は男と女の二つの性別があって、生物学的に、男は女に、女は男に惹かれ合うようにできているからである。(程度は個人差あり。また一部の例外は除く)これは動かしようのない事実である。
そうでなければ、ここまで人類は人口が増えて繁栄はしない。基本的に誰でも、異性と仲良くなりたいし、付き合いたいし、セックスをしたいと心の中で思っている。
2016年に新海誠監督の『君の名は』という映画が公開され、大ヒットしたが、あの作品のストーリーは純愛の王道的なものだ。そして、若者に限らず非常に多世代の人が鑑賞したことが明らかになっている。これは、未婚者含めて非常に多くの人が、心の根底では恋愛に憧れていることを表している。オレも公開当時劇場で鑑賞したのだが、老若男女多様な世代の観客がいた。
では、なぜ「若者の恋愛離れ」と言われ、恋人のいない人がこれだけ多いのだろうか。現代は恋愛以外に楽しめることが多いし、独身でも不自由なく生きていける時代だ。確かにこれは大きな要因ではある。
しかし、もっと深刻な問題としては、“恋愛行為を阻害する原因が現代では増えた”というのが正しい分析だとオレは考える。その阻害要因をざっと挙げてみよう。
①職場恋愛(アルバイト等含む)の困難(仕事への支障、セクハラ扱いされるリスク)
②学生時代の恋愛の困難(友人関係や学業への支障、いじめにつながるリスク。ただしこれに関しては、昔からある程度変わっていない)
③マッチングアプリの問題(ミスマッチが起こる仕組みの問題。男性限定の問題として、利用料金の格差、パパ活やキャッシュバッカーが蔓延していて女性と出会う難易度が上がっている)
④国の経済の問題(労働、生活基盤の確立に多くのエネルギーを割かれるため、恋愛にエネルギーを注ぐ余裕がない)
⑤ネット、SNSの普及のデメリット(男女それぞれのイヤな面がネットを通して可視化されているため、異性に対する警戒心と理想のハードルが高くなっている)
これらは決して軽視してはならない問題である。若者に口先だけで「恋愛しろ、結婚しろ」と言うだけでは、彼ら、彼女らの心には届かない。大人の自分勝手な説教など、子どもや若者は簡単に見抜く。
では、どうすれば解決に向かうのか。オレにも一言でその答えを導き出すのは難しいが、日本の経済事情、庶民のお財布事情がもう少し良くなれば、解決にはだいぶ近づくと思う。
そして、最後に大切なことを述べる。人を好きになる気持ちは、とても素晴らしいものだ。好きな異性、人がいれば、人生は豊かになる。人を好きになることを嘲り笑ったりバカにしたりする風潮は、一刻も早く無くすべきである。特にこれは、教育に携わる者や子育てをしている親は頭に叩き込んでおく必須事項だと考える。
(作・イキルちえ)
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