生きる知恵

イキルちえが執筆する生きる知恵ブログ・コラムのサイト。婚活、恋愛、マッチングアプリ、子育て、教育、仕事、健康、心理学、人間関係、少子高齢化、男女やジェンダーの問題、性の話などをお届けする。

「女は出産で働けなくなるんだから、男が奢れ、金を出せ」この主張の大きな間違い(円満な家庭運営のコツも紹介)

 さて、みんなは今まで周囲の人と協力して物事を達成したり良い成果を挙げた経験があるだろうか。今日の記事は、子育て、出産、男女平等やジェンダー平等に関する記事である。これらの課題に対して、出産や子育てや家庭運営をわかりやすく行うことができるよう、考え方の枠組みを中心に説明している。よかったら最後まで読んでくれ。

 

 読者のみんなは、婚活や恋愛の場面などでよくこんな声を耳にすることがあると思う。

「女性は出産があるんだから、デート代は男性に出してほしい」

「女性は出産があって働けなくなるのに、お金を出さない男はケチ」

 まさに、男女の争いの基本パターンである。これらの意見は正しい面もあるのだが、よく、冷静に事実を見極めなくてはならない。まずはここの分析から進めていこう。

 まず、「女性は出産=お金は男性が出す」という単純な計算式で、何でも解決できるわけではないという点がある。女性の出産は基本的に結婚した後の話であって、結婚する前のデート代は直接何も関係がない。そして、生きていれば常にお金がかかるのは当たり前であり、成人した大人は自分のことにかかるお金は自分で出すという観点に立てば、「無条件にお金は男性が出す」というものは存在しない。まずはこれが基本になる。

 次に、出産や子育てにかかる費用についてだ。

 日本は特に子育てにお金がかかる国だ。住む地域や通う学校によっても異なるが、一人の子どもを成人まで育てるのに、2千万円から3千万円ほどの費用がかかると言われている。これは夫婦にとって大きな負担であり、結婚をためらう若者が大勢いるのも当然の話だ。以下URLは一つの参考資料である。

 

<参照元:子育てにかかる費用は?出産から大学までの年代別平均と貯蓄計画(わくスク)>

 

 その上で、子育て期間中は、得られる給付金(補助)がいくつかある。出産育児一時金、育児休業給付金、児童手当、幼児教育・保育の無償化、高等学校等就学支援金、子ども医療費助成が主なものだ。これらは、自治体や家庭の収入などによって金額は異なる。

 さらに、出産による一時的な休業による収入減少、仕事への復帰が難しくなる実情、仕事のキャリアに及ぼす影響も大きな問題だ。これらについては、当人の体力、仕事のスキル、職場の体制などによって状況は人それぞれだ。

 

 ここまでの基本前提をまとめると、『出産において生じる状況は人それぞれ異なる』『子育てにはとにかくお金がかかる』の二点ということになる。

 しかしそれでも、現実問題として、出産時期に働けなくなってその間に入ってくるお金が減るというのは、大きな不安を伴うものだ。その間、夫にちゃんと支えてほしいという女性の気持ちを汲むことは非常に重要だ。

 まずは、お金がかかる出産時期を迎える前に、どのようにお金の準備をしておけばよいのか。これは、あまりにも簡単な話である。

①事前に夫婦二人で話し合い、事前準備金をいくら用意するかを決める。(この際、出産育児一時金などの補助がいくら位もらえるかをある程度計算しておくのが望ましい)

②その事前準備金を、夫婦二人で半分ずつ出し合って工面する。(夫婦で収入と貯蓄に著しく差がある場合は、話し合いで出し合う分量を決める)

 たったこれだけである。事前に大きな出費が見込まれる場合は、あらかじめかかりそうな費用を予測し、準備をするという基本に則ったものだ。つまり、「男性が奢る」という行為と全く関係がないのである。

 

 次に、出産、それ以降の子育ても含めて、最も重要な価値基準は以下になる。

『常に変動』

 子どもの状態、夫婦の状態、かかるお金というものは、常に変動するのだ。例えば、子どもの生後からオムツがどれ位の期間必要なのかは実際に育てなければわからない。離乳食、ベビー服、ベビーカー、抱っこ紐などの各種必要な物、就学前の各種準備品、遊び道具、習い事をやるならその費用・・・いつ、何がどの程度必要になるか、事前の計算通りにいくとは全く限らず、『常に変動』するのが、人間を育てるということである。

 ではどうすれば良いかであるが、これも基本はシンプルで簡単な話である。考え方の枠組みとして重要なのは『常に変動』『常に話し合い』『半分ずつ分担』の三つである。以下、子育て期間の流れを簡単な図解で例を説明する。育児(子育て)と、仕事の二つを簡単な四角形で表示しているが、四角が大きいほど、それをやる分量が多いと思っていただければよい。

 

①「今こんな状況だね。どうしようか」・・・状況把握。夫婦で話し合い。

②話し合って以下のように決定。実践する。

③「次はこうなったね。どうしようか」・・・状況把握。夫婦で話し合い。

④話し合って以下のように決定。実践する。

 この分担の仕方はあくまでも一例だが、夫婦それぞれの受け持ち量は、同じ半分ずつというのは原則だ。そして、子育てと家庭運営というのは、これのくり返しである。何をどのように分担してやっていくかは個々の家庭状況によって全く異なるため、一つとして同じパターンはない。そして、上述したように、子どもの状態やかかるお金というものは、常に変動する。だからこそ、夫婦で常に話し合うことが大切だ。

 

「女は出産で働けなくなるんだから、男が奢れ、金を出せ」

 このような価値観、言葉は、子育ての数十年の生活と、男女平等を基軸とした家庭運営の視点で見れば、横暴で大間違いである。このような自分本位の主張ばかりする人は当然結婚相手としては論外だが、出産に伴う女性の不安には理解を示して寄り添う姿勢は欠かせない。

 いずれにせよ、婚活時などの結婚前にパートナーとよく話し合い、具体的な生活イメージを共有しておくことが大切になるであろう。

(作・イキルちえ)

こちらも合わせてどうぞ→<このブログの紹介>