生きる知恵

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マッチングアプリのメシモク女のエピソード

 さて、みんなはマッチングアプリで「メシモク女」に遭遇したことがあるだろうか。メシモク女とは、真剣に恋活や婚活をしているわけではなく、男性に食事を奢ってもらうことを目的にマッチングアプリなどで活動している人のことだ。今回はそのメシモク女のエピソードである。

 

 A男(36歳)は某マッチングアプリにて、一緒にお茶に行くお相手の女性をアプリ内の掲示板で募集した。A男は甘い物が好きだったので、スイーツ系のカフェに行くことを誘う内容だった。すると32歳のメシモク女B子から「行きましょう!」と元気な一言メッセージが来た。A男は返信する。

「こちらこそよろしくお願いします。B子さんは行きたいお店などはありますか?もしあれば気軽に教えてください。なければ僕の方でお店探します」

 するとB子から返信が来た。

 その返信には、銀座、赤坂、六本木などの日本で一番高い一等地の超高級カフェの店名が5件ほど書かれていた。ドリンク1杯に高級ケーキがついて1万円近くもするような店ばかりだ。

 ここであるポイント。このマッチングアプリには、デート代の費用をどう負担するかを記載する項目がある。これをA男は「男(自分)が全額おごる」を選択していた。そこで、B子から来たメッセージと、この高級店の指定である。

 A男は少し考え、こう返信した。

「どのお店も素敵ですね。でも今の所、B子さんにご馳走して一緒に時間を過ごすと、どんな良いことがあるかが見えないので、それを教えてください

すると、B子からは怒りに満ちた以下のような返信が返ってきた。

「は?そんなの別にないです!」

そしてさらに返信続く。

「見返り求めるなんて最低ですね。運営に通報しておきますから!」

 これでA男とB子のやり取りは終わった。その後、A男は別にマッチングアプリ運営から特に咎められることはなかった。

 

 さて、これを読んでみんなはどう思っただろうか。きっと、似たような体験をしている人も大勢いることだろう。この出来事を分析してみよう。

 通常、マッチングアプリでは女性の方からアプローチすることはあまりない。女性は基本受け身だからだ。しかしこのB子は、A男が「全額おごる」と表記していたのを見て「一緒に行こう」とメッセージを送ったのは間違いないだろう。そして、わざわざ一等地の高級店を指定した。この時点でメシモク女なのは疑いようもないが、初対面前の相手に、おごらせる前提で高級店を指定する心理を考察してみよう。

 まともな感性の大人なら、初対面の人間に対しては主に以下のような反応が表れる。

<1>様子見

<2>警戒

<3>「どのようにして関係構築すれば良いかな?」と思考する

 しかしこのメシモク女は、この過程をすっ飛ばして、最初から自分の欲望だけを相手にぶつけているのだ。こうなる背景としては、

①相手を人間としてみなしていない

②相手と対等な人間関係を構築する能力の欠如

こういう状態になっているわけだ。

 もしこの状態で相手男性と関係が始まっていたらどうなっていたかは、今となってはわからないだろう。B子のようなメシモク女がどんな目的を持っているのかは、人によって違いもあるだろうし、なぜこのように、相手と対等な関係を築けない状態になってしまうのかは深い考察と対策が必要である。

 ただ一つはっきりしているのは、メシモクという行為は乞食である。乞食とは、他人から金銭や食べ物をもらって生活する人、行為を指し、元は仏教のルーツがある言葉だが、現代では“他人に依存する浅ましく愚かな行為”のようなネガティブな意味を持って使われることが主流だ。

 

 もう一点大事なことを分析する。

 B子は「あなたにご馳走したらどんな良いことがあるか見えないので教えてください」と聞かれ、それに対して、怒りの感情で「そんなものはない」と返答している。この構図をどう考えるべきだろうか。

 まず、人間は基本的に、“自分にとって何か良いことがある”という動機がないと、積極的には動かない。損得勘定なしに、困っている状況に手を差し伸べたり手助けをするのは、相手が家族や親しい友人だったりする限定された場面だけである。A男にしてみれば、高いスイーツをおごってくれと言われて、「何か良いことある?」と聞きたくなるのは当然であろう。

 また、これは特に男性はよく心に留めておくとよいのだが、喫茶店やファミレスなどに行って付近に複数の女性のお客がいたら、よーく耳をすまして会話を聞いてみるとよい。

「あのダサい男に付き合ってほしいって言われたんだけど、金持ってなさそうだし何か地味だし、付き合ってもいいことなさそうなんだよねー」

 このような会話はそこら中で聞くことができる。まさに、自分にメリットがあるかないかを中心に考えて男を常に品定めしているのが丸わかりだ。自分は平気で異性を品定めするが、自分が異性に品定めをされたら憤慨するという思考、行動は、ただ一言、“幼い”。

 

 総括しよう。マッチングアプリを通じてメシモクという行為がまかり通ってしまう今の日本の社会は、金銭的にも精神的にも貧しい方向に向かっているといえる。

(作・イキルちえ)

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