生きる知恵

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言葉の中身を冷静に判断する知恵(人間は常に他者との比較にさらされている)

 さて、みんなは瞬間的に感情が湧き上がることが普段どの位あるだろうか。今日の記事は、日常の簡単な例を挙げて、瞬間的に湧き上がった感情をどのように処理するかという対応を解説する内容となっている。どうぞ気軽に読んでくれ。

 まずは例として、以下のような場面を取り上げる。

 

(1)「何で私よりブスでダサい女が、あんなイケメンで高スペック男と結婚できるのよ!」

(2)「何で俺より頭悪くてモテない奴が、あんな良い企業に就職できるんだ!」

 婚活や就職活動において、このような場面や感情は頻繁に起こるものだ。人間は常に“他者との比較”という環境にさらされているので、こういった感情はネガティブで攻撃的な場合もよくある。

 ここで、一度立ち止まって冷静に考えてみよう。何を冷静に考えるかというと、“自分自身の発している言葉の中身”である。

 

(1)「何で私よりブスでダサい女が、あんなイケメンで高スペック男と結婚できるのよ!」

・どんな女性がブスなのか美人なのかの尺度は人それぞれ違う。相手男性から、その結婚した女性の外見はどのように見えているのかはわからない。

・「私よりブス」つまり「私よりその女性の方が外見的魅力は低い」と罵っているが、その基準は誰が測ったものなのか、どの程度正確なのか。

・「ダサい」は、やや曖昧性のある言葉だが、その言葉の中身は何なのか。

・この感情は、ブスでダサい女は結婚できないという無意識の価値観を元に形成されているが、それは果たして正しいのか。

(2)「何で俺より頭悪くてモテない奴が、あんな良い企業に就職できるんだ!」

・頭が良い、悪いという尺度は、どのような基準で見たものであるか。(大抵は分野によって、得意不得意は人それぞれ異なる)

・良い企業とは、どのような基準で見たものであるか。(知名度があって高年収の企業に勤めることが幸せだとは限らない)

・モテる、モテないという価値基準は、就職活動に関連があるか。

 

 ほんの少し考えるだけでも、これだけ考えるポイントがある。瞬間的かつ冷静にこういう思考をするのには、普段から意識づけて訓練することも必要だ。一つ一つの出来事、言葉に対し、一度立ち止まって「なぜだろう」と冷静に考えることがカギになる。

 そうすると、次に自分がどうしたらいいかはおのずと見えてくるものだ。以下は(1)の例で、自分自身の発している言葉の中身を「なぜだろう?」と冷静に考えた末の例である。

「私よりブス!・・・ちょっと待てよ。なぜだろう・・・。ひょっとしたら、自分が他人に対してブスと罵る考えが間違っているんじゃないか。もしくは、その男の人は、結婚相手の女性が外見以外に重視している点が優れていたからあの女性を選んだんじゃないか・・・」

 

 婚活や就職活動のように、“他者と比較される”場面は、社会が便利になって成熟すればするほど多くなる。(一定の度を越えると、より深刻な事態を招くこともある)

 今日の記事で紹介したことは、深刻な事態を招く前の防衛策として、その一歩手前で「言葉の中身を冷静に判断する」ということを意識づけるというものだ。あらゆる感情がもつれ、絡み合い、複雑で生きにくい世の中を生きる上での基本行動として役に立つことと思う。読者のみんなも心のどこかで実践してみてほしい。

(作・イキルちえ)

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<この記事は、2025年9月23日に加筆修正しています>