生きる知恵

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子どもが欲しくてこれから結婚する男女に、結婚前に話し合ってほしいこと

 さて、みんなは普段から、どの程度“先の事”を見越して行動しているだろうか。今日の記事は、子どもが欲しい結婚前のカップルに伝える内容ということにある程度特化している内容なのだが、それに当てはまらない人にも是非読んでほしい。日本社会が今後どうなっていくかという、極めて大きな課題に関わる話だからだ。

 

 男女の問題で様々に揺れ動く世の中ではあるが、結婚願望のある人、子どもが欲しい人はそれなりに多く一定数いるものだ。現在進行形で今まさにこれから結婚予定で、子どもがほしい人もいることだろう。あなた達は、社会を担うとても大切な存在であり、是非自信を持って生きてほしい。そして、そういった人達を支えるのは、社会の使命でもある。

 そこでみなさんは、結婚前にパートナーと、どんなことを話し合っているだろうか?

 家事の分担、金銭管理、住む場所や住宅購入・・・確かにそれらも大切なことだ。しかし、子どもを作って育てるなら、子どもの誕生前にはこれは必ずじっくり機会を設けて話し合っておいてほしい。

「どう子どもと関わり、どう育てようか」

 これを話すにあたって、周囲の子育て経験者の話を聞いたり、ネットで情報を漁る人はたくさんいるだろう。もちろんそれらも大切なことだ。ただし、ネットの情報はよく見極めないと、正しくない情報も多い。さらに、子育て経験者の知恵や知識は貴重だが、その言葉は、“その経験者主体の視点で語られる” ので、自分の感覚や感性とはズレが生じることもよくある。つまり、情報を外から得るばかりでなく、パートナーと向き合い話し合うことが大切だ。

 話し合うにあたって、「子育てのイメージが沸かない」ということも大きいだろう。これは当然のことなので、気にする必要はない。お互いわかる範囲で、お互いの意見交換をして、その後方針を決めていくきっかけになれば良いのだ。

 その上で、現代(記事執筆:2025年)子どもたちの生育環境に、一体どんな事態が起こっているのかを記載しておく。(当然子どもにより個人差はあるが、日本社会全体の共通傾向として)

 今の子ども達は、周囲の視線と評価と情報に、非常に敏感だ。情報をたくさん知っていて、頭が良い子も多い。未来のことを見据えていて、準備に抜かりない子もたくさんいる。しかし・・・。

 多くの子の共通的な特徴として、特に大きいのは、「傷つくのが怖い」という気持ちが非常に強い。物事に興味や意欲を持ち、自分で行動しようとすることも非常に少なく、これは「傷つくのが怖い」に紐づく現象である。

 そして、コミュニケーションを取るのが上手でなく、「相手に伝わりやすいようにどうしたらいいかな」「相手はきっとこう感じているだろうから、自分はどうしたらいいかな」という、相手側の気持ちに立とうとする気持ちも弱い。

 さらには、手足の筋力、体幹、言語や発達の遅れなども(環境によるが)以前にはなかった規模で問題に挙がることも増えている。

 

 なぜこのような問題が起こっているのか。大きな原因は二つだ。

 一つは、『スマホ普及をはじめとした、デジタル社会の悪影響』である。もう一つは、『大人に、時間と精神的余裕がない』ことだ。

 子どもが欲しくてこれから結婚する男女のみんなに、結婚前に話し合ってほしいことは、この『大人に、時間と精神的余裕がない』ということを大きな前置きとした上で、「そんな中でも、どう工夫して子どもと関わり、どう育てようか」を話し合ってほしい。

 もちろん、最初は簡単でないし、すぐ答えが出るような内容ではない。しかし、それでもいい。結婚する男女二人なら、数十年生きてきた知恵2人分が、それなりに蓄積しているはずである。それらを生かし、“うまく時間と心の余裕を生み出して”調整して生活できるよう、早いうちから土台を作っておくのが大切なのだ。

 今の世の中は、「〇〇をしなきゃダメ」「〇〇をしなきゃ人より遅れる」こんな不安を煽るような情報は洪水のように溢れている。そういうものに振り回されるのではなく、「現代の特徴を踏まえた上」で、「夫婦二人でできることを話し合って決めておく」という、コミュニケーションの型を知っておくということが、今回の記事の中枢である。

 結婚前に何回もデートなどをすれば、話す時間はたくさんあるだろう。その時間はとても貴重であり、大切に使いたいものである。

(作・イキルちえ)

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<参考文献>

石井光太著『スマホ育児が子どもを壊す』(新潮社)

齋藤孝著『子どもを伸ばす家族力』(マガジンハウス)