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そのクレーム、正当ですか?温泉訴訟の判決から学ぶ、サービス低下時代の賢い生き方

 さて、みんなはお店に商品を買いに行って売り切れだった場合、どうするだろうか。今日の記事は、「買い物や、その他世間のサービスを利用して、自分の思い通りのものを得られなかったらどうするか」ということを考えるきっかけとなるものを提供する。非常に生活に身近な内容なので、気軽に読んで是非役立ててほしい。それではスタートだ。

 

 最初に事例を紹介しよう。一つ目のリンクは概要で、二つ目は、事例の内容に対して感想などが書きこまれているものである。

 

<参照元:「女湯丸見えで精神的苦痛を受けた」武田尾温泉を利用した親娘の訴え棄却(産経新聞WEB版)>

 

<参照元:〈女湯が外から丸見え状態で女性が旅館を提訴→旅館「気づかず入浴し続けるとかおかしい」〉(がーるずチャンネル)>

 

 事例について簡単に説明する。兵庫県の温泉を利用した女性とその母親が、女湯が外から丸見えの状態になっていたと主張して提訴した裁判である。

 客(原告)側の主張は以下である。

「入浴後に浴室内のすだれが外されていることに気づいた」

「30分間もさらされていたことになり、不安抑うつ状態になった」

「盗撮された恐れもある」

 旅館(被告)側の主張は以下である。

「女湯が外から見える状態であれば、通常はすぐに入浴をやめるはずであり、30分間も気づかずに入り続けるのは不自然」

「すだれは簡単に取り外しできるものであり、客側が自ら外した可能性も否定できない(あるいは、入浴前に確認できたはず)」

 裁判の結果、原告の主張は棄却され、旅館側の勝訴となっている。

 

 さらに補足と検証を追記する。

 世間にあるサービスを利用する際、よほどのことがない限り、裁判まで持ち込まれることは通常ない。普段の生活や業務で毎日過ごしていることを考えれば、客側もサービス提供者側も大きな負担がかかる裁判をしょっちゅうやっているわけにはいかないからだ。

 しかしそれでも、この事例が裁判にまで発展した理由を推測すると、以下のものが挙げられるだろう。

・女湯が丸見えになっていたことをその日に旅館のスタッフに訴えた際、著しく対応が悪かった。

・お風呂(温泉)以外のサービス部分も、客の怒りを買う程に著しく質が低かった。

・(元々クレーマー気質の悪質な客であり、お風呂の状況を見て、わざと提訴して賠償金を得ようとしていた可能性も否定できない)

 

 普段世間で生活していると、買い物や、その他サービスを受ける機会はいくらでもある。そして、満足できるものが得られることもあれば、得られないこともあるだろう。

 そして、求めるものが得られなかった場合や、客として思わぬ損害を受けた場合、それに対して抗議し、正当な扱いを求める権利が誰にでもある。特に、政治・インフラ・教育・医療など、生活と人生設計に大きく関わる事柄については、一つのミスが時として命取りになるものであり、質の高さの維持は必須だ。

 しかし、「自分の思い通りにいかないことを、全て思い通りにさせるために主張して良い」と考えることは、横暴で傲慢だといえる。なぜなら、人が、人に対して提供することは、必ず“できない部分”が出てくるものだからだ。

 

 そこで、社会で人と関わり、サービスを利用していく上で、キーワードを挙げておこう。『楽観』『現状把握』の二つである。

 例えば、スーパーに豚のロース肉を買いに行ったとする。しかし売り切れていたら?「まあこんなこともあるよな。違う食材を買って、夜ご飯は違うメニューにしよう」と、楽観的に現状把握をして、自分自身の行動を変える方法がある。店員を呼び出して抗議するよりはるかに建設的だ。

 このキーワードを元に、上記で挙げた温泉旅館の訴訟の出来事を振り返ってみよう。対応、考え方の例としては以下になる。

 

 旅館に行き、お風呂に入ろうとしたら、すだれが外されている形跡がある。窓と、外の景色の位置関係を見たら、外から丸見えになってしまいそうだ。

「あれ、まあこんなこともあるよな。従業員に言ってすだれを付けてもらおう」

 従業員がすぐ見つからなかったり、「忙しくて手が回らないので、ご自身で付けてもらえませんか」と言われたら?

「何かトラブルがあって忙しいのかな。もしくは人手が足りないのかな」

「お風呂にいるのはせいぜい30分位だし、そんな短時間の間に外から見られる可能性は低いだろうな」

(注:この考え方は、女性には難しい側面もあり、実際に旅館などでは盗撮被害が発生する事案があることは留意。また公衆トイレ等の事例では、男性が“見られる”ことについては著しく軽く扱われている実情があることにも留意。)

 

 現在は少子化が止まらず、人手不足や経費削減が進む中、高いレベルのサービスを提供するのが難しくなってきていることが、あらゆる場で浮き彫りになっている。そして、人は誰でも「満足できなかったら文句を言いたくなる」ものだが、ネット社会の発達によって、誰でも簡単に文句を言えてしまう土壌があるともいえる。

 こういった現状を踏まえて、サービスを提供する者、利用する者それぞれに、どのような価値観と倫理観で共存していくか、これからも考えていく必要があるといえるだろう。

(作・イキルちえ)

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