生きる知恵

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独身とは本当に不幸なのか、それとも幸せなのか

 さて、みんなは結婚するのと結婚しないのはどちらが幸せになれると感じているだろうか。今日の記事は、世間で言われている「こうしたら幸せになれるよ」という価値観に対して、深く検証する内容となっている。よかったら最後まで読んでくれ。

 

 読者のみんなも、結婚をするかしないかで悩んでいたり、世間の情報をくまなく見ている方もたくさんいると思う。それらを見ていくと、「結婚すれば幸せになれる。独身は寂しいし、老後が心配だし、子どもを残すことができない」という趣旨のものが多くを占める。これはもちろん正しい面もあるが、もっと細部にわたって結婚というものをこの記事で考えていこう。

 まず前提をいくつか記載していく。

 今の日本の社会は少子高齢化が大きな課題になっているので、世間の情報や国の政策が「結婚推奨」に偏るのは、もう仕方ないことである。独身が悪者のように言われることもあるが、これは割り切るしかない。

 そして、それぞれの個人が発信している情報(SNSなど)については、既婚未婚それぞれ、もうあまりにも生活状況が人それぞれ違うので、ほとんど参考にならない。特にSNSは嘘も多いので、気にするだけ時間の無駄である。

 そして、これを忘れてはいけない。

 人生で「自分がどうしたいか」を、“自分の意志で選ぶことができる”ことは、決して当たり前ではない。数十年遡って、昭和、平成の時代であれば、大人になれば結婚することはほとんど当たり前だった。現代であっても、自分自身は結婚したくないのに、親が「結婚しろ」と急かすようなケースもそれなりに多い。

 他にも、生前から自分が男に生まれるか女に生まれるかも、自分では選びようがない。自分が男か女かで、自分がやりたくなくてもやらなければならないことなども起こる。

 仕事についても、職業選択の自由という価値観はあるにせよ、自分の思い通りの仕事に就ける方が幸せで珍しいものだし、親が経営者や医者などの仕業であれば、その道を継ぐことがほぼ強制になることもある。そして普段の人間関係(友人、知人、仕事の付き合いなど)に目を向ければ、自分の思い通りにいくことばかりではないのは、もはや説明不要だろう。

 つまり、時代の状況に関わらず、自己の生きる形を思い通りに選べないことは、そう珍しくはない。逆に、現代の「結婚するかしないか」を、かなり多くの人が自分で意思決定できるというのは、恵まれた状況であると認識する必要がある。

 

 次に、読者のみんなが「結婚するかしないか」を考えた時に、おそらく『既婚と独身どちらを選んだ方が、自分が幸せになれるか』を尺度として考えることが多いことと思う。

 そこで、一般的に言われる、既婚と独身のメリットとデメリットとはおおまかに以下になる。

・既婚のメリット

 家族がいて寂しくない。病気になった時や老後も安心。パートナーがいることで家計も安心。社会の責任を果たした実感を得られる。子どもを作れば自分の血で絶やさず次世代を残すことができる。

・既婚のデメリット

 自由な時間がない。自分のためにお金を使えることが減る。収入や家族(子ども)の人数によっては家計が苦しい。家族関係や親類関係によってはストレスが増加。

・独身のメリット

 自由な時間が多い。恋愛も自由にできる。お金を自分のためだけに自由に使える。親類関係などの面倒な人間関係がなくて済む。

・独身のデメリット

 寂しい・孤独。既婚者と比べると肩身が狭い。老後が不安。次世代の子どもを残すことができない。

 

 この、それぞれのメリットとデメリットを、よーーーく読んで自分の将来の生活に照らし合わせて考えてほしい。実は、ほとんど意味がないことがおわかりになると思う。

 例えば、既婚のメリットにある「家族がいて寂しくない」。これは、良いパートナーと子どもに恵まれれば、寂しさはあまり感じないだろう。しかし、家族関係はいつも良好なわけではない。ケンカやトラブルがあれば、寂しさを感じることはいつでも起こり得る。

 逆に、独身のデメリットにある「寂しい・孤独」というもの。これは総体的に見れば正しいともいえるが、普段の人間関係や趣味や仕事が充実しているかどうかで如何様にも変わる。60代以上の高齢独身になった場合は、家族がいないことで言いようのない孤独感に襲われるといったケースも増加はしているが、これも結局“生きている状況が人それぞれ”ということでしかない。

 他にも、家計や金銭状況も、既婚・独身という括りだけで判断できない。余暇などの自由な時間も、家族と一緒に余暇を楽しむ時間が充実しているなら、自分だけの自由な時間と同等の価値になるといえる。その時の生活状況で時間の余裕の程度はいくらでも変化するし、既婚・独身という括りだけで判断することは難しい。

 

 つまり・・・時間も、お金も、寂しさも、孤独感も、心理状態も、人間関係も、いつでもくまなく変化し、既婚・独身という括りだけでは判断できないのである。

 よって、「独身は不幸なのか」「既婚は幸せなのか」といったテーマを、本人の直感以外で結論を出すことは、はっきりいって不可能である。

 

 しかし、一つだけ「どうしたら不幸を避けて幸せになれるか」という尺度になり得る基準がある。それを紹介してこの記事をまとめることにする。

 その基準とは、『普段自分が生きているコミュニティ(人間関係)及び関わりを持っている事柄がどの程度充実しているか』である。

 これは、非常に広範囲のものが対象になる。仕事、仕事と同分野の趣味や活動(職場のサークルやスポーツ大会など)、趣味や好きなこと、何となく習慣になっているもの(散歩、買い物、ジム通い等)、頻繁に会う友人、数年に一回ほど会う友人、定期的に通っている場所(遠方の公園、神社、ショッピングセンター、建築物、幼少期に育った土地など)、ネットやSNSで繋がっている場所や人、普段触れている情報源(ニュース、政治、スポーツ、各種エンターテイメントなど)・・・。

 これらありとあらゆるものが、無限に広がる自分自身のコミュニティであり、人間の幸福度及び健康度に大きな影響がある。これらが、ある程度自分の思い通りに充実しているなら幸福であるし、充実していないなら不幸と言えるかもしれない。そしてこのコミュニティの尺度は、既婚か独身かは、全く関係ないのである。

 

 以上である。この記事が、結婚、及び人生設計について悩んでいる読者のみんなのお役に少しでも立てたら嬉しい限りである。

(作・イキルちえ)

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<参考文献>

石本雄真著『こころの居場所としての個人的居場所と社会的居場所──精神的健康及び本来感,自己有用感との関連から──』

https://www.jstage.jst.go.jp/article/cou/43/1/43_72/_pdf

北川夏樹・藤井聡共著『帰属意識が主観的幸福感に及ぼす影響構造に関する研究』

https://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/wp-content/uploads/paper/planning/46/well-being.pdf

村上貴弘著『働かないアリ 過労死するアリ~ヒト社会が幸せになるヒント~』(扶桑社新書)