さて、みんなは異性との初デートにはどんな場所に行きたいだろうか。今日の記事は、一見男女間のくだらない言い争いのテーマに見えるものではあるが、「人間として生きる上で最も重要なもの」を再確認するための内容ともいえる。恋愛や婚活がうまくいかなくて悩んでいる人だけでなく、「なんか人間関係がうまくいかない」と感じている人にとっても関連がある内容なので、お読みいただけたら嬉しい限りだ。
恋愛や男女の話題が毎日あふれている現代だが、特に近年、「お見合いや初回デートの場所が、サイゼリヤやチェーン店の安い店などに行くのはどうなのか？」という話題が挙がる。特に女性側からは、騒がしく安っぽい所だから、初回デートとしてはふさわしくないという意見はよく挙がるし、男性側からはこれらに対抗して、お金で判断するような女性はお断りだという意見もよく挙がる。
その他、初対面である初デートは、サイゼリヤのような騒がしい店ではなく、落ち着いて話せる場所がふさわしいなど、多様な視点の意見交換がネット上では行われている。
これらは、それぞれの見方があり、これという正解を出すのも極めて難しいだろう。言うならば、「初回デートにはどんな場所がふさわしいのか」ということを考えた時に、ふさわしい要素・正解は複数あるものだ。お互いが会いやすい場所のお店、雰囲気が落ち着いている場所、美味しい食事ができるお店、コストがかからない場所・・・しかし、正解の選択肢には何かしら不正解の要素もあるものだし、正解に関する価値観も人それぞれ異なる。いわば、答えの出ない議論に終始しがちだ。
しかし、「初デートでサイザリヤやチェーン店は嫌だ」という考え方に対し、一つ確実に、“生きていく上で重要なものを失っていること” がある。
それは、『感謝の気持ち』だ。
これを失ったら、人間として終わりである。
人と人が出会うということは、簡単にできることではない。一生の間に出会うことができる人は、限られている。さらに、人間が一生のうちに与えられている時間も永遠ではなく、限られている。
これから恋人になるかもしれない、あるいは結婚して夫婦になるかもしれない、そんな人とこれから会い、時間を共にするということ。これが、どんなに貴重で大切にしなければならない機会だと、どれだけの人が気付いているだろうか。
そして、社会に出て人と関わる機会があった時、そこには多くの過程と尽力した人のおかげで、そういう機会が訪れている。これは、大人になるまで２０年弱の期間生きていれば、自然と理解できていることだろう。（だからこそ、義務教育の期間に、「人に何かしてもらったらありがとうと言いなさい」と教わるわけだ）
「初デートでサイザリヤやチェーン店は嫌だ」と、（最初でも後でも）言う人のほとんどは、この“機会の原則”を忘れている。初デートにふさわしい場所という視点はもちろんあるが、それ以前に、訪れる機会の大切さと感謝の気持ちを忘れていることに気付いていない。
さらにもう一つ。
初デートに行く場所の代表的な場所である、飲食店。これらは、町を歩けば至る所に当たり前のように佇んでいる。店に入れば、自動的に好みの食事や飲み物が運ばれてくる。これらも、無限に当たり前のように有るわけではない。事業を起こし、資金を調達し、地面を整地し、建物を建築し、食材を調達し、人材を派遣してサービスを行う・・・。
どれほどの人の労力が使われているのか、感謝の気持ちと想像力をもし忘れているとしたら・・・それはもう心を持つ人間ではない。
（作・イキルちえ）
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