生きる知恵

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婚活疲れの原因と解消法(婚活以外の精神的疲労の視点も関連)

 さて、みんなは“気疲れ”した時に、自分で対処方法を身に付けているだろうか。今日の記事は、婚活で疲れた時にどう対処、解消したら良いかを分析した上で示していく内容である。なお、これは婚活に限らず、他の要素で気疲れや精神的疲労を感じた時に対処する方法と、基本はほぼ同じである。ただ、婚活は、他の気疲れと比べてかなり特殊な面も多いので、そこを踏まえた上で記述していく。それではスタートだ。

 

1)個人差の影響と、婚活独特の疲れの原因

 まず最初に知っておきたいこと。

 疲れの感じ方、ストレス耐性、心と体のタフさ、これらは・・・人によって全く異なるということだ。生まれながらのもの、性格、気質、積んできた経験・・・これらによって、かなりの個人差がある。例えば、少しのことでしょっちゅう風邪をひいて体調を崩す人と、バリバリ動いても全然風邪をひかない人がいるだろう。あれと同じである。

 そういうわけなので、同じ対処方法をやるとしても、この個人差をかなり考慮する必要がある。

 次に、“なぜ婚活は疲れを引き起こすのか”という部分の、特に特徴的なことを一つ挙げておこう。これは、大きく分けてこの二つになる。

『結果がいつ出るかわからない』

『どうしたら結果が出るのか、他のことに比べてわかりにくい』

 説明しよう。

「結果がいつ出るかわからない」という状況は、人にとても大きな精神的負荷、ストレスをもたらす。これは、人生を生き抜く上で必ず知っておくべき重要な事柄だ。例えるなら、出口がわからない真っ暗の洞窟を進んでいるのと同じである。普通のメンタルの人間なら、早々にあきらめて退散したくなるのが健全な証である。

 そして、「どうしたら結果が出るのか、他のことに比べてわかりにくい」ということは、受験や就職活動と比較して考えるとわかりやすい。受験や就職活動は、婚活と同じく、人生の大きな分岐点である。受験と就職活動は、“相手の動向次第”という点は婚活と共通でもある。しかし、必要な情報と対策は婚活よりも目途が立ちやすい。自分の学力、受験する学校のレベルや特徴、自分の資格やスキル、企業の特性や方向性といった材料で、「どうしたら結果が出るのか」が把握しやすいからだ。

 しかし婚活の場合は、これらの点が受験や就職よりも高難度だ。お相手と会った時のフィーリング、様々な価値観、外見的魅力など、非常に多様かつ曖昧で、個々の感性に基づいた条件が成婚という結果につながるからだ。

 さらに、『いつまでも結果が出なかったらどうなるか』という点も非常に大きく関連している。もっともこれは、「結婚できなくても、収入はちゃんとあるし、独身で気楽に生きていけばいいや」という人には関係ないのだが、「結婚できなかったら、親も高齢でいつまで生きているかわからないし、将来が不安」という場合は、さらにストレスや負荷がかかることになる。

 

2)疲れを感じるポイントの男女差

 ここまで、婚活特有の疲れの原因や背景を解説した。対処方法を記載する前に、もう一つ大切な視点に触れておこう。

 婚活は、受験や就職活動とは違い、男女で疲れを感じるポイントがかなり異なる点がある。まず、男女共通で、婚活疲れを感じるポイントは以下の二点になる。

・時間の消耗

・ファッション、美容など、外見を整えることに費やすエネルギー

 言うまでもなく、時間を際限なく消耗することは、人生における大きな損失となり、大きなストレスとなる。さらに、ファッションや美容というものは、それなりの基準があるとはいえ、「これが完成でゴール」という明確な形はない。

 時間の損失と、美容やファッションの「ゴールがない」という要素は、冒頭で挙げた『結果がいつ出るかわからない』という点とも関連している。

(余談だが、以前SNSのX(旧ツイッター)の自称婚活事業者のアカウントで、「男は外見整えてキモくないようにすれば結婚は簡単」とポストしていて、軽く炎上している案件があった。賢い読者のみんななら、これがいかに世間知らずで横暴な意見なのかは一目でわかるだろう。SNSやネットの情報を正しく見抜き、振り回されないことも、婚活疲れを防ぐ上で大切なことである)

 

 続いて、男女で疲れを感じるポイントが異なる点だが、以下の6項目になる。ただ、これを正確に理解するために、注意して読み取ってほしい。

 婚活で男女の置かれる立場と、性差による特徴は明確に異なる。その上で、以下6項目は、男女共に同じように感じることもあるのだが、その負荷具合はかなり明確に異なるということだ。

 

※【男性が特に疲れを感じること】

・申し込んで(アプローチして)、断られることをくり返して溜まる疲労

・メッセージ作成の労力

・金銭的負担(お茶代、デート代、結婚相談所やマッチングアプリ利用料)

・デート時、会話時の気遣い

 

※【女性が特に疲れを感じること】

・お相手を探し続けることによる疲労

・自分の理想とは異なる相手とばかり出会うことによる疲労

 

 例えば、申し込んで断られることをくり返すことで疲労を感じることは男女共にある。しかし、男女差で考えれば、女性は男性よりも受け身である。結婚相談所などでは、登録して自分からほとんど申し込むことなく、ただ待っているだけの女性も非常に多い。この事実を踏まえると、申し込んで断られることをくり返すことで疲労を感じるというのは、男性に比重が大きいポイントといえる。

 

3)解消方法・対策の指針

 ズバリ、以下の二点である。

①時間管理能力を身に付ける。

②睡眠時間は絶対に削らない。よく寝ること。

 「いつ結果が出るかわからない」「時間を際限なく消耗する」ことが、大きなストレスになることは再三申し上げてきた通りだ。そこで、できれば婚活を始める前から、適切な時間管理能力を身に付けておくことが、最も解決につながる軸になる。食事や料理にどの程度時間をかけ、リラックスする時間(できれば公園などで自然に触れる時間が適度にあると望ましい)をどのタイミングでどの程度確保し、デートやお見合いをどの程度の頻度で行っていくのかなど、自分の体力と生活リズムを考慮して決めておきたい。

 人間の体は、自分に合ったリズムを一度決めれば、必ずその“型”に適応する力がある。そうすれば、疲れやストレスは驚くほど減らすことができるのだ。生きていく上で、こういう人間自身の質を知っておけば、婚活のようなエネルギーを使うこともやりきることができる。

 逆に、何も“型”を決めないでダラダラやるのは、余計に疲れやストレスを招く要因になる。例えば、夜遅くまで仕事やお見合いをして、風呂も入らずに夜更かししてSNSにグチばかり書いて、睡眠時間を削ってしまい、さらに翌朝・・・などの悪循環は、すぐに改善すべきである。

 そして、これは婚活に限った話ではないのだが、睡眠時間は絶対に削ってはならない。これは鉄板だ。

 睡眠不足は、心身共に疲労の回復を鈍らせる。肌荒れの原因にもなる。よく睡眠を取れば、心は軽やかに、頭はスッキリ働き、デートやお見合い時にも気持ちの余裕を持ってお相手と向き合えるようになる。大事な局面で、冷静な判断もできるようになる。基本中の基本ではあるのだが、これが最も婚活疲れの解消に最も有効である。

 

 以上である。

 最後におまけを添えておこう。2024年の夏、こんなニュースが少し話題になった。料理人が天ぷら屋で働くと、客前で料理を出せるようになるまでに10年の修行を要するというもので、ネット上で様々な意見が沸き起こった。他にも類似の出来事として、数年前に実業家のホリエモンこと堀江貴文氏が、「寿司屋で10年も修行するのはバカ」と発言したのをご存じの方も多いだろう。

<参照元:「日本の生産性の低さが凝縮された画像」として挙げられた天ぷら屋での10年の修行→むしろ現代ではこういう自分の力で見て覚える技術が衰退しているのでは(togetter)>

 今日の記事内容は、時間の管理というものが大きなキーワードになっている。時間をかけてスキルを身に付けるのは、人間には欠かせない。しかし、婚活は時間を割かなければできないし、時間をかければかけるほど不利になる。

 人生は長いようで短く、時間には限りがある。この事実は、今後の婚活、また人生の他の事柄においても、重要な考えどころになるだろう。読者のみんなは、時間の使い方、疲れとの向き合い方はどのように考えているだろうか。今日の記事が、そんなことを考えるきっかけになれば幸いだ。

(作・イキルちえ)

こちらも合わせてどうぞ→<このブログの紹介>

<参考文献>

梶本修身著『すべての疲労は脳が原因』(集英社新書)

中野信子著『自己肯定感が高まる脳の使い方』(セブン&アイ出版)