生きる知恵

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エマ・ワトソンの言葉からわかる本物のフェミニズム(日本のジェンダー平等、男女平等が遅れている原因)

 さて、みんなは社長がいない会社で働きたいと思うだろうか。あるいは、運転士が不在で勝手に動く電車に乗りたいと思うだろうか。今日は、ジェンダー平等や男女平等、フェミニズムがテーマの記事である。相変わらず日本では、男女の醜い争いが絶えず、男女平等やジェンダー平等は程遠い状況となっている。それがなぜなのかを考える時に、 “リーダー不在”という現状をキーワードとして分析しているので、よかったら最後まで読んでくれ。

 最初に、ジェンダー平等や男女平等はどの程度実現しているのかについてだが、日本よりも、2歩も3歩も先を進んで実現している国は多数ある。これを前提として、一人ある人物を紹介しよう。

 イギリスの女優の、エマ・ワトソンである。

エマ・ワトソン(Wikipediaより)

 

 彼女の略歴をごく簡単に紹介する。フランスのパリ出身で、1990年4月生まれの35歳(当記事公開の2025年5月時点)である。子役出身で、2001年に映画『ハリー・ポッターと賢者の石』のハーマイオニー・グレンジャー役でデビュー。その後数々の映画に出演している名女優である。

 エマ・ワトソンはフェミニストとしても知られており、2014年に国連組織、UN Womenの親善大使に任命されている。以後、精力的に活動して度々印象的なスピーチを行っているが、以下は2016年に国連本部で行われた「HeForShe Impact 10x10x10」というイベントで行われた場のスピーチの一部である。

 

「私はフェミニズムについて話をするたびに、女性の権利を求める戦いが、男性を打ちのめすことと同義に扱われていることに気づきました。ですが、それは違います。そういう思考は止めなくてはなりません。そもそもフェミニズムとは、皆が平等の権利と機会を持つことを信条とするものです。つまり、政治的、経済的、社会的立場においてすべてのジェンダーが平等である、という理解です」

 

 また以下は、2014年9月20日に国連本部で行われたスピーチの、日本語字幕付きYouTube動画である。

<参照元:エマ・ワトソン UN Women 親善大使 国連でのスピーチ (日本語字幕)【国連広報センター (UNIC Tokyo)】>

 

 これらの発言は非常に説得力があり、男女平等、ジェンダー平等への指針が示されていることがわかるだろう。力強さ、信念、求心力、平等的視点、これらが明確で人の心を揺り動かすのに充分である。

 エマ・ワトソンは、「私はフェミニズム運動のリーダーだ」と自ら宣言しているわけではない。しかし、女優業を務めながら自ら積極的にフェミニズム運動を行い、自らの経験や感情だけに振り回されることなく、真の平等社会実現のために懸命に行動している。こういう言動はまさに、真のリーダーといえる鏡である。

 目的を達成しようという時には、どんな場であれ、必ず求心力のあるリーダー的存在がいるものだ。逆に、より大きな目的達成を目指す際、リーダー不在であると、集団は脆く崩れ去り、時には危険も招くものだ。運転士が不在の電車は事故が起こるのがわかりきっているので、誰も乗ろうとはしないだろう。

 それでは、今の日本の男女平等を目指す場で、エマ・ワトソンのように説得力と知恵のあるフェミニストのリーダーはいるだろうか?

 ---誰もいない---

 では、何が起きているか?

「男が悪い」「女が悪い」「〇〇が悪い」「〇〇を何とかしろ」「〇〇が不快だ」・・・・・。

 これでは、うまくいくわけがない。

 

 以下、例として二つ参考資料を挙げよう。リーダーになるべき立場にあるような人が、全く低レベルで話にならないという例である。

<参照元:https://shueisha.online/culture/129249>

 このリンクは、集英社オンラインにて掲載された『「日本はどう考えても女尊男卑の社会です」。おっさんが生きづらい現代日本は、世界的に見れば女性の天国である理由』というニュース記事なのだが、現時点では残念ながらもう削除されてしまっている。(なので、リンクをタップしても見れないので注意)

 そこで、このニュースの一部を抜粋して紹介しているWEBサイトを代わりに以下に挙げる。

<参照元:タレントのフィフィさん「日本はどう考えても女尊男卑の社会」「おっさんが生きづらい現代日本は、世界的に見れば女性の天国」(はちま起稿)>

 内容としては、タレントのフィフィ氏が日本の男女事情、男性差別、女尊男卑について述べているのだが、この中で、以前女性議員が「おっさん政治をやめさせよう」とSNSで発信して炎上した騒動についても触れられている。議員という国民を代表する立場の人間で、このような差別的発言が飛び出すのは、個人の思想という面もあるものの、平等社会実現を先導するリーダー不在という影響も充分感じさせるものだ。

 もう一つは、「フェミニストを名乗っているにも関わらず、あまりにも現場の実情を知らなさ過ぎる」という例に値するものだ。

<参照元:【上野千鶴子のジェンダーレス連載vol.5】「人類にとって、いちばん欠かすことのできない力仕事は何だと思う?」>

 この記事の中で、上野氏は以下のように語っている。

 

今の建築現場ではどれぐらいの力が必要?だって、クレーンやパワーシャベルを使えばいいんだから、特殊免許を取得して技能を身につければ男でも女でもできますよ。

 

 これに対し、実際の建築現場ではクレーンやパワーシャベルがあっても人間の力は必要なものであり、世間知らずだといった批判がX(旧ツイッター)上に多数寄せられた。(以下URL参照)

<参照元:https://x.com/dokushoa/status/1860540951514743254>

 日本でかなり知名度がある人物ですらこのレベルなのだから、日本における男女平等、ジェンダー平等は、まだまだ前途多難と言わざるを得ないだろう。

 

 それでは今後、国民一人一人には、何が必要とされるだろうか。これは簡単な話だ。

 まずは、一人一人が、平等で適切な視点と知恵を身に付けること。そして、不平等で人を不幸にするような思想で目立とうとする人は堂々と批判することが必要だ。

(それが一体どういう人なのかは、賢明な読者のみんなならわかるはずだ)

 そして、平等で人を幸せにしようとする人は支持することである。今回紹介したエマ・ワトソンのように。

 こういう男女の問題は、一人一人にとって他人事ではない。国を動かすようなリーダーは一人だけだが、国民一人一人が皆リーダーでもある。

(作・イキルちえ)

こちらも合わせてどうぞ→<このブログの紹介>

<参考文献>

今こそ、広い視点で性を捉えるとき──エマ・ワトソンが切り拓く、フェミニズムの新境地。【社会変化を率いるセレブたち】(VOGUE JAPAN)

<Wikipedia『エマ・ワトソン』>