生きる知恵

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結婚後に豹変する人(暴力、モラハラ、DV、仕事放棄、子育て無関心など)を避ける方法と、その原因

 さて、みんなは子どもの頃からどんな経験を積んで大人になってきただろうか。子どもの読者の人は、これからどんな経験を積んで大人になりたいだろうか。今日は、結婚や恋愛を語る上で、生活に関わる重要なテーマを取り上げる。

 結婚に憧れる人は、婚姻率が下がっている現代であってもたくさんいることと思う。良いパートナーと出会い、良い結婚生活を築くことができる手応えがあれば何の問題もない。しかし、結婚前は大抵、パートナーがどんな人で、どんな生き方をしてきたのかはわからないことが多い。

 そんな中、おそらく結婚前には、以下のような不安を持つ人が多いであろう。

・男性の場合

「彼女が、結婚したら豹変して、感情のコントロールがきかない横暴な態度(DV)にならないだろうか」

「彼女が、結婚したら豹変して、勝手に仕事をやめてダラけ始めたりしないだろうか」

・女性の場合

「彼が、結婚したら豹変して、暴力(DV)を振るったりしないだろうか」

「彼が、結婚したら豹変して、全く子どもに関心も持たず子育てにも関わらないようにならないだろうか」

 まだお互いをよく知る前には、深層的には、こういう心配な気持ちが起こる場合が多い。そして数年後には、DVや育児放棄などに繋がって離婚騒動などに発展するケースも多々ある。今日は、こういった問いに答える記事としてまとめている。キーワードとして覚えておいてほしいのは、『抑圧』である。

 

 人間は生まれてから、物心がついた時に、「この後自分はどんな人生を送るのか」は知りようがない。そして、様々な人と出会い、勉強したり、遊んだり、経験を積みながら大人になっていく。「家族」「人間関係」「社会環境」オレ達人間の生育に影響を与える要素は主にこの三つだ。

 その影響がポジティブにはたらけば良いのだが、そうでない場合、自分の感情が押さえつけられ、チリが積もっていくかのように、負の感情やストレスが増幅していく。その増幅状態は、自分でも自覚がないことも多い。これが『抑圧』といわれる状態である。

 例としては、自分の外見にコンプレックスがあり、「〇〇は足が太いね」「〇〇は背が低いね」などと言われる体験を幼少期から積み重ねていて、自分では笑って受け流したりして対応していても、大人の一定の年齢になる頃には負の感情やストレスが蓄積している、といった具合だ。

 こういうことは数多くの人が経験することであり、異常なことではない。他の部分で自分に自信を付けたり、他の良い体験でいつの間にか負の感情やストレスは消失していることも多い。ただし、そうでない場合ももちろんある。

 

 問題は、こういう“抑圧”の状態で、パートナーができた後だ。恋人と恋愛関係を築き、あるいは、配偶者と結婚生活が始まった時。このタイミングは、パートナーが豹変しやすいタイミングなのである。(結婚した途端、彼・彼女が豹変したというエピソードは世の中に掃いて捨てるほどある)

 なぜなら、年齢的にも、学生として教育を受け、新人社会人として一定期間過ぎて、地に足を付けて生きる土台作りが終わった頃と重なるからだ。目安としては25~30歳頃で、この頃は成婚年齢の最頻値の時期ともちょうど重なることになる。

 パートナーと新しい生活が始まった時から豹変する人の状況を、もう少し深く解説する。

 彼・彼女たちは、常に不安定で暴れまわっているわけではない。むしろ静かにしている時の方が多い。男性の場合は特に、強いプライドへのこだわり(男らしさへの執着)があり、女性の場合は、美貌(外見)への強いこだわりが見られる。そして、彼・彼女たちは、傷つきやすく、心の内面では痛みを引き起こした人物への怒りが蓄積し、恨みが発生している。

 だからこそ、結婚前に相手に求めることの一つに、「感情が安定していること」を挙げる人が多い。これは理に適っている選択である。

 

 では、どうすればよいだろうか。

 まず、基本として押さえておきたいことは以下の二点だ。

・暴力、横暴な態度、仕事放棄、子どもへの無関心など、パートナーだからといって、これらのことをサンドバッグのように引き受けなければならない理由はない。関係性が築けないのなら、身の安全を最優先に離れること。

・恋人、夫婦の関係だからこそ、過去から『抑圧』している感情と向き合い、解消することも充分可能。

 パートナーには、ついつい“強さ”“たくましさ”を求めてしまうことは、誰もがあると思う。しかし、人間の感情が育つ過程は、ロボットにプログラミングしていくのとはわけが違う。社会の価値観によるメッセージ、家族(親)の言葉、“そこ”に居た人達の無作為に投げられる言葉、これらが全てダイレクトに心の中に入り込み、人格が作られる。人間1人は、社会の中の1ピースに過ぎないもので、いわば逃げ場はないともいえるのだ。

 解決の糸口としては、「男らしさ」「女らしさ」「強い大人」といった、役割を取り外して、パートナーと向き合うことだ。

(作・イキルちえ)

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<参考文献>

斎藤学著『家族の闇を探る』(小学館)