さて、みんなはどんな時に異性とセックスをしたいと思うだろうか。今日の記事は、人間の性に関する本質を分析した記事である。取り上げる題材は、2023年12月にサービス開始された、性的同意サービス「キロク」を用いる。
この「キロク」というのは、性行為をしたお互いが、性的同意を得ていたことを記録として残すサービスを提供しているアプリである。しかし、サービス開始当初から様々な問題点が指摘されており、この記事公開の2025年現在も普及されているとは言い難い状況である。指摘されている問題点とは、キロクにて同意していたとしても、無理やり同意させられたと言ってしまえばその主張が通ってしまうこと、性行為前にキロクを出されることで男女お互いの雰囲気が台無しになること、同意後2日間は取り消し機能があることで、同意の意味自体がなく、犯罪に悪用される可能性など、多数指摘されている。
この性的同意サービス「キロク」が誕生した背景としては、2023年に施行された『不同意性交等罪』が大きく関連している。不同意性交罪の焦点として、セックスをするお互いの同意があって成り立つもので、同意なしに行為に及んだら刑罰の対象となる。つまり、その同意を補助する意味合いで、弁護士監修の元「キロク」が誕生したということだ。中核としては、望まない性行為で傷つき、性犯罪に遭う人を減らし、守るためにという目的がある。当然これは必要な対策である。
ここからが本題だ。この問題を考えるにあたって、もっと“人間の感情の本質”を考える必要がある。読者のみんなにこれは問うてみたい。
みんなは普段の自分の行動を、「いつ、何をやったら、自分がどんな気持ちになるか」を、どこまで予測できるか?
もちろん、これはケースバイケースだ。他者が関わることなら、相手にもよることだ。それを踏まえても・・・人間は何でも予測通りにいくような単純な生き物ではない。セックスのように、生きるエネルギーに直結する行為で、向き合う相手との感情の交流が深い行為だったらなおさらだ。
セックスをする前、している最中、した後、どのような気持ちになるのかは、ほとんど本人達にもわかるようなものではない。これは、お互いよく知る恋人同士なのか、マッチングアプリなどで知り合った初対面同士なのかということはあまり関係ない。当日の気分や体調ということも関係はするが、それも本質とは少し異なる。
セックスは、感情の波と交流が、行為と共に激しく押し寄せるものだ。さらに、「セックスをしたい」という気持ちが、いつ、どんなタイミングで、誰といる時に沸き起こるのかは、大抵当人達にもわかるものではない。ワンナイト、出来心、夜這い、浮気、不倫などが昔から今も根付いているのがそれを証明している。
例えば、今まで異性として全く意識していなかった友人と、ふとしたきっかけで良い雰囲気になってしまい、ホテルに行ってセックスをしたりすることはどこにでも起こっている話だ。他にも、お互い既婚者の男女が、お互いその時何となく「セックスをしたい」気持ちがあり、タイミング良くきっかけがあってホテルに行ってセックスをして、結果不倫になってしまったなんてこともよくある。
さらに、感情は動く。
「ホテルに着く前は気分が乗らなかったけど、ホテルに着いたら急に気持ちが高ぶった」
「セックス直前はしたくてたまらなかったけど、している最中に気分は醒めた」
「セックスは楽しかったけど、数日後にすごく後悔した気持ちになった」
何通りも感情の動きはあり、当人達にも、どんな気分になるかの予測はつかない。
一言で言うと、人間の気持ちや感情は常に揺れ動くものであり、それが知的生物として生きているということである。
それでは、性的同意というものを、形にして、人間が使いこなすことができるだろうか?現状では、かなり無理があると言わざるを得ない。
なぜなら、「同意した」という気持ちは、感情の“固定化”という質であるのに対し、セックスの本質的な部分は、“感情の揺れ・流動化”だ。これはつまり、水と油の関係性といえる。
では、どうしたら男女お互い納得した上で、良いセックスができるだろうか。同意なしにセックスに及んで後悔する人を減らし、性犯罪も無くすことができるだろうか。
まとめとして、作者のオレから以下三点を挙げておこう。
①法律を知り、遵守する。
②必ず避妊をする。(結婚して子作りをする夫婦を除く)
③自分の発言に責任を持つ。
生きる上で大切なセックスについて、読者のみんなの考えるきっかけになれば幸いだ。
(作・イキルちえ)
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