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婚活は年収でお相手を判断することは無意味(正しい金銭感覚の判断方法)

 さて、みんなは毎月どの程度の収入で生活をしているだろうか。今日の記事は、婚活の時にお相手の収入や金銭感覚をどう正しく判断するかという内容である。婚活現場で結婚相手を選ぶ時は、年収が一つの大きな目安となっている。確かにこの数値だけである程度の収支状況はわかるのだが、実際の所、本人の詳しい経済状況というのはこれだけではわからない。むしろ年収だけで相手を選別していると、非常にデメリットも多い。そのことを今日は解説していこう。それではスタートだ。

 

 まずは、最も基本の部分だ。

 収入を知る場合、“年収”ではなく、“毎月の手取り”を基準にすること。婚活では特に、この目安が重要だ。ご存じの通り、年収とは税金や社会保険料などの控除額も含めた額面上の金額である。税金などの控除額は人それぞれ異なり、変動するので、年収(額面上)の金額だけで手取り額を正確に計算することは無理である。(目安としては、額面上の75~85%が手取り額になる)

 下記の例を比較してほしい。

・Aさん 年収500万円

・Bさん 毎月の手取り金額30万円

 どれ位収入を得て、どんな生活を営んでいるか、どちらが想像しやすいだろうか?間違いなく、手取り額表示のBさんだろう。

 これを基本として、次の四項目を基準として考えていく。

①毎月の手取り額

②毎月の手取り以外の収入

③毎月の固定費

④遊興費及び特殊な出費

 この四つに絞っていくと、当人の金銭状況はほぼ確実にわかる。

 ①の毎月の手取り額はそのままの意味で、仕事の給料の毎月の手取り金額だ。

 ②の毎月の手取り以外の収入は、賞与(ボーナス)、副業収入、年末調整などの還付金などが含まれ、人それぞれ結構様々なケースがある。

 ③の毎月の固定費は、住居費、水道光熱費、通信費、車の維持費などの、毎月必ずかかる一定額の出費のことだ。本来の意味の固定費とは大体これらを指すのだが、もっと具体的に生活費を把握する場合は、食費、日用品購入費、サブスクや保険、場合によっては医療費なども含めて考える方がわかりやすい。もちろん、金額は人によりかなり異なる。

 ④の遊興費及び特殊な出費だが、この項目が、本人の金銭状況を最も大きく左右する。趣味や本人ならではの習慣、衣服や美容、友人知人等との交際費など、非常に幅が広い。

 ここからは、以下にわかりやすく三つ例を挙げる。架空の例ではあるが、全国どこにでもいそうな婚活男性、婚活女性をモデルにした例で、いかに年収だけで人を正確に判断できないかという視点で読んでいただければと思う。

 

Aさん 年収800万円

Bさん 年収400万円

Cさん 年収600万円

 婚活時に、この情報だけでお相手の金銭状況を正しく判断できるだろうか。女性であれば、ほとんどの人がBさんよりAさんを選ぶことが多いと思う。

 次に上記に挙げた四項目の情報を付け足してみよう。金額表記は毎月の収入と支出である。(支出には、貯蓄や投資は含まない)

 

Aさん(年収800万円)

①毎月の手取り額 46万円

②毎月の手取り以外の収入 賞与(年1回、計70万円)、年末調整(年1回、2万円)

③毎月の固定費 30万円

家賃(11万円)、水道光熱費(1万円)、通信費(2万円)、食費(5万円)、日用品購入費(5千円)、医療費(1万5千円)、車の維持費(3万円)、サブスクや保険等(5万円)、その他(1万円)

④遊興費及び特殊な出費 15万円

交際費(7万円)、冠婚葬祭費(7万円)、学習費(1万円)、

※支出合計 45万円

 Aさんは高年収の仕事をしているが、出費も多い。ハードな仕事の影響で体調を崩しやすく、医療費が平均よりも多くかかっている。車の維持費の他、保険などもそれなりに金額をかけているので、固定費は30万円に上る。さらに、仕事上必要な付き合いが多く、交友関係も広いため、交際費や冠婚葬祭にかなりの金額がかかっている。

 

Bさん 年収400万円

①毎月の手取り額 25万円

②毎月の手取り以外の収入 賞与(年2回、計16万円)、副業(月1万円)、年末調整(年1回、6千円)

③毎月の固定費 13万8千円

家賃(5万円)、水道光熱費(1万円)、通信費(5千円)、食費(4万円)、日用品購入費(5千円)、医療費(千円)、サブスクや保険等(7千円)、その他(2万円)

④遊興費及び特殊な出費 4万円

交際費(2万円)、仕送り(2万円)

※支出合計 17万8千円

 Bさんは平均よりやや下回る程度の年収だが、生活が苦しいわけではない。さらに週に1回、友人の子どもの勉強を見てあげて、お礼に1万円の収入を得ている。家賃、食費等は至って平均的で、交際費などもそれなりにお金をかけている。健康なので医療費もかなり少ない。車を所持しておらず、サブスクや保険にそこまでお金をかけていない点が、Aさんとはかなり異なる。実家にいる病弱な親族のために毎月2万円仕送りをしているが、それでも収支はプラス7万円程度を維持している。

 

Cさん 年収600万円

①毎月の手取り額 36万円

②毎月の手取り以外の収入 賞与(年2回、計45万円)、年末調整(年1回、1万8千円)

③毎月の固定費 26万2千円

家賃(8万5千円)、水道光熱費(1万円)、通信費(1万円)、食費(6万円)、日用品購入費(4万円)、医療費(2千円)、サブスクや保険等(2万5千円)、その他(3万円)

④遊興費及び特殊な出費 10万2千円

交際費(4万円)、美容代(5万円)、猫の飼育代(1万2千円)

※支出合計 36万4千円

 高年収のCさんだが、月の手取り額に対して支出はわずかに赤字であり、賞与で何とか不足分を補っている様子である。衣服などの日用品や美容代にかなりのお金をかけており、猫を飼っていることも支出の多さに拍車をかけている。

 

 さて、この三者の例を見て、読者のみんなはどう思っただろうか。

 年収の表記だけで、当人の生活状況は全くわからないことがよくおわかりいただけると思う。例えばAさんは三人の中で一番の高年収だが、体調、やむを得ない出費の多さ、幸福度の低さがかなり顕著であり、将来的な安泰があるとは言えない面がある。実際の所、高所得者はこういう不安定さを抱えている人も非常に多い。

 逆に最も年収が低いBさんは、おそらく三人の中で最も幸福度が高く、こういった生活状況の人は今の日本人男性においては多数存在する。結婚後もパートナーとしては最適であるといえる。

 年収の表記だけでは見えない、注意を要する支出項目としては、『ギャンブル』『ゲームなどのサブスク』『衣服や美容代』『飲み代』『キャバクラやホストなどの遊興費』などが挙げられる。収入が多くても、これらの費用にかなりのお金をかけている人は実に多い。これらの費用は、自分でコントロールできる力がないと際限なくかかってしまうものであり、本人の人間性や本性に関わってくる。

 婚活の時にお相手の金銭状況を知りたければ、最初に挙げた“毎月の手取り金額”と、特に『遊興費及び特殊な出費』の点に着目することをお勧めする。ここでかけている費用で、本人の金銭感覚や生活の特徴がかなりわかるからだ。これは、デートやお見合い時の会話でそれとなく感じ取ることもできると思う。

 

 最後に、この記事の本題からは外れる内容だが、おまけを一つ付け加えておく。

 良い仕事、良い収入を得れば、結婚できる可能性も上がるといえる。そのためにも、いわゆる“ブラック企業”と呼ばれる会社は、さっさと辞めて転職することを多くの人にお薦めしておきたい。もちろん簡単ではないことは百も承知だが、そこは一つ、ひと踏ん張りしてスキルや資格を身に付けることも視野に入れ、積極的に行動してほしい。

 『時代錯誤のパワハラ、残業代を出さない、有給を取らせない』等々、この辺の基準は読者のみんなもよくご存じであろう。こういうブラック企業からどんどん離職者が出て、まともな経営をしている会社に人が集まるようになれば、自然にブラック企業は淘汰されていくのである。

 良い収入を得て、幸せな生活、幸せな結婚をするためには、こういう国民一人一人の意識と行動が関わっている。そのためにも、読者のみんなには、積極的に行動することと、年収だけで人を判断しないような広い視野と思考力を忘れないようにしてほしい。正しい方向に歩けば、必ず光明は見えてくる。

(作・イキルちえ)

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