さて、みんなは他人の子どもを養い育てたいと思うだろうか。今日の記事は「托卵」がテーマで、全3回に渡ってお届けする。第1回、第2回では、托卵の概要と、防止する方法をお届けしてきたが、最終回であるこの第3回では、もっと“人間としての広義な倫理、道徳、幸福、繁栄”という視点も含めて記述していく。
托卵とは、『夫以外の男性の子どもを出産し、その事実を隠して夫に育てさせる行為』である。これは倫理的に許されない行為であり、子どもや夫(男性)にとっては致命傷ともいえる精神的ダメージを負うことになる。民法上の不法行為にあたり、離婚事由に該当する。
夫にとっては、托卵に気付かず、扶養義務のない子どもを育てて何十年も生きることになるのは、膨大な金銭と時間を搾取されることである。重大な人権侵害、性差別、性虐待といえること・・・むしろ、陳腐な言葉では言い表せない犯罪行為と言ってもいいだろう。社会を支える上で、人間が一人一人せいいっぱい力を発揮できるようにする土台作りは欠かせない。托卵は、その土台を揺るがす問題だという認識が必要である。決して個人の問題で片付けてはいけない。
それでも、不倫などの不貞行為は人間社会からなくなることはないし、やむを得ない事情で離婚する夫婦、特殊な状況下で生きていかなければならない子ども達はたくさんいる。それらを踏まえて、まずは何を基本に考えなければならないだろうか。まとめると以下になる。
・子どもにとって、最大の幸福とは何か?
血の繋がった、信頼できる両親の養護の元で元気に育つこと
・子育てをする親にとって、最大の幸福とは何か?
血の繋がった、元気な子どもが伸び伸びと成長していくこと
これらを基本とする考えは、決して崩してはいけない。
(もちろん、結婚していない独身者も、仕事や趣味などで自分なりの幸福を築く権利がある)
なぜなら、「夫婦の安定した養護の元に育った子どもこそ、人に幸福を与えられる力を身に付けている」というのは、生物として失ってはならない根幹だからだ。
しかし托卵によって生まれた子どもは、最初から、生物としてあるべく根幹が抜け落ちている。
「いつかバレるかも」と怯え、自己保身に走る母親、「自分に似ていない」「自分の子ではないのでは?」と疑心暗鬼の父、こういう夫婦と、互いに自分の子を育てている夫婦とを比べれば、差は一目瞭然である。
そして子どもは、両親の間にただよう微妙な温度差を、必ず感じ取る。子どもが本能的に持っている感受性を決してバカにしてはいけない。
さらに托卵を行った母親というのは、突き詰めれば「他の男性とセックスがしたい」「倫理に背いてでも優秀な遺伝子がほしい」という、究極な身勝手思想を持っている人間だといえる。そういう思想は、必ず子育ての時に無意識に表れる。すると子どもがどのように育つだろうか・・・賢明な読者のみんなならもうわかるだろう。
このように、托卵は想像以上に、周囲に様々な害を及ぼすのである。ネットやSNSを開くと、托卵を肯定し、擁護するような意見もよく見られるが、そのようなものを決して真に受けてはならないし、許してはならない。また、これは下記リンクにも記載しているが、参考までに以下の托卵に関する記事を時間があれば読んでほしい。
<参照元:講談社WEB版『知人女性から「托卵協力」を懇願された年収1500万円42歳の1児の父が「月1回の不倫妊活」を大後悔…いま増えている「托卵女子」のヤバすぎる実態』>
これは托卵当事者の声が紹介されているのだが、読む人によっては吐き気がする程嫌悪感を抱くだろう。この特徴は、「子どもの立場に立った視点が全く無い」ことが大問題である。代わりに、自らの欲望視点においてつらつらと声を発しているものだ。
これは、他の托卵当事者の声もほとんど共通していることであり、要は自分の欲と保身のことしか頭にない。このような人間が増えていったら社会がどうなるだろうか?読者のみんなは想像できるだろうか?
以上である。全3回にわたって、托卵を解説してきた。読者のみんなの生きる知恵に役立てば幸いである。
(作・イキルちえ)
こちらも合わせてどうぞ→<このブログの紹介>
関連記事→<托卵とは(概要)[シリーズ第1回]>
関連記事→<托卵を防止する方法[シリーズ第2回]>
<参考文献>
橘木俊詔、迫田さやか著『離婚の経済学 愛と別れの論理』講談社
<ABEMA TV(2024年7月1日放送)『夫に内緒...不倫相手の子を産み育てる「托卵妻」の実態は?当事者に聞く苦悩とは』>
<離婚弁護士『托卵が原因で離婚できる?子供との親子関係や養育費の支払いについて』>
<講談社WEB版『知人女性から「托卵協力」を懇願された年収1500万円42歳の1児の父が「月1回の不倫妊活」を大後悔…いま増えている「托卵女子」のヤバすぎる実態』>