さて、みんなは他人の子どもを養い育てたいと思うだろうか。今日の記事は「托卵」がテーマで、全3回に渡ってお届けする。今回は第1回で、概要を記載する。第2回では「托卵を防止する方法」、第3回では「托卵を許し、擁護してはならない(社会への悪影響を止めるために)」という内容である。
まず、托卵とは何かから説明していこう。これは、『夫以外の男性の子どもを出産し、その事実を隠しながら夫に育てさせる行為』である。基本的に女性側(妻)が意図的に不倫などをすることで起こるもので、夫にとってほぼ防ぎようがない。子ども全体のおよそ10%は、托卵によって生まれた子どもであるといわれている。
托卵は、民法第709条の「故意または過失によって他人の権利または法律上保護される利益を侵害した」不法行為に該当し、ほぼ確実に法定離婚事由に当てはまる。つまり托卵が明らかになれば、一定の証拠提出(DNA鑑定結果)と手続きを経て離婚が可能になる。ただし、子どもの血縁関係(出生)を知ってから3年以内に訴えを起こさないと無効になり、父親にとっては法的な親子関係は確定する。
さらにツイッター(現X)などのSNSでは、托卵を正当化するような人道と常軌を逸した発言も多数存在する。
そして参考までに以下URLは、托卵でわりと普遍的なパターンで起こる出来事を短くわかりやすくまとめている動画である。
<参照元:【実話】本当にある怖い女の托卵。男の人生は台無しになった(前半)(ハートカフェ)>
<参照元:【実話】本当にある怖い女の托卵。男の人生は台無しになった(後半)(ハートカフェ)>
以上が簡単な概要である。次は、“托卵によって何が起こるのか”ということを具体的に深掘りしていこう。
托卵は、すぐに何か影響があるわけではなく、一見バレなければ何事もない。しかし・・・人間には誰でも“違和感を感じ取る感性”がある。父親から見ると、「外見が何となく自分と似てない」「行動が何となく自分の気質と違う」などのように感じ取ることができる。また、「妻が何となく常にソワソワしている」という違和感に気付くこともあるだろう。
そして、父親から見て「子どもが自分の子ではない」と気付いた時。
子どもから見て「お父さんが、自分の本当のお父さんではない」と気付いた時。
つまり、托卵が明らかになった時に、どうなるのか?
まず、子どもには、とてつもない精神的ショックを与えることになる。両親への信頼感は崩壊し、そこから気持ちを立て直して生きていくのに、どれほどの自己エネルギーと周囲の支援が必要になることか。
そして、父親(男性)の気持ちだが、同じようにとてつもない精神的ショックを受けることになる。怒りの感情も沸くだろう。これに加えて、「金銭の損失(経済的損失)」「莫大な時間の損失」があり、これらはもう取り返しがきかない。
そして、托卵を行った当人の母親(女性)の場合だが、精神的ショックはあるものの、その大きさは子や父と比べたら些細なものである。さらに、父の両親、母の両親といった、周囲の親族にも多大な影響があることも忘れてはならない。
この後は、「托卵」に関する、中枢の大切なことをまとめていく。
上述したように、托卵は、子と父のみに甚大な被害をもたらす。これは、人同士で力を合わせて社会を作ること、すなわち男女平等の元に家族、社会を作ることの、大きな弊害となる。つまり、托卵は全力で止めなければならないものなのだ。(だからこそ、民法上で不法行為として定められていると考えて良いだろう)
托卵が起こる背景、原因は、一言で言うと“女性の欲”に根源がある。「良い男性とセックスがしたい」「良い男性の遺伝子の子どもがほしい」というものだ。
さらに深く分析すると、生物としての女性の生存戦略も関係している。女性は身体能力が男性よりも低いため、労働において金銭を稼ぐことが男性よりも難しいという深層心理がある。そのため、たくさんお金を稼ぐことができる優れた男性に魅力を感じるものだ。そういう優れた男性と性行為を行い、子孫を残すことで、自らの命を繋ぎとめることができるという感覚がはたらいている。
しかし、女性なら誰でも優れた男性と出会って、結婚できるわけではない。そこで、「托卵」という行為が発動する。他の男性と性行為だけ行い、出産後の養育は他の男性にさせてしまうという“道を踏み外す”行動が表出する。
まとめに入る。
何を一番に考えなければならないか。恋人・親子・夫婦関係で、考える最大の基準は何か?
『人を幸福にする行動』が、最も尊重されて守られるべきものである。
『人を不幸にさせる行動』は、不幸な人を生み出し、増殖させ、社会全体も不幸になる。
これが、考える最大の基準、つまり“倫理観”である。
誰でも、良い異性とセックスをしたいものだし、優秀な遺伝子は欲しい。だからといって、他人に甚大なダメージを与えてまで、その欲求を満たそうとしてはならない。
現代における家族構成は、夫と妻で婚姻関係を結び、血の繋がった夫婦で子どもを育てることが基本とされている。(養子縁組等の制度は除く)子育てなどの各種制度も、それに合わせて設計されている。なぜなら、家族関係については、その形が最も人間の幸福感の根幹になり、子どもの幸福につながる“道筋”だからである。(もちろん、親にもそれぞれの生き方と個性があるということも前提だ)子どもを持つ夫婦である以上は、子どもの福利をないがしろにしてはならない。
(作・イキルちえ)
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関連記事→<托卵を防止する方法[シリーズ第2回]>
関連記事→<托卵を許し、擁護してはならない(社会への悪影響を止めるために)[シリーズ第3回]>
<参考文献>
橘木俊詔、迫田さやか著『離婚の経済学 愛と別れの論理』講談社
<ABEMA TV(2024年7月1日放送)『夫に内緒...不倫相手の子を産み育てる「托卵妻」の実態は?当事者に聞く苦悩とは』>
<離婚弁護士『托卵が原因で離婚できる?子供との親子関係や養育費の支払いについて』>
<講談社WEB版『知人女性から「托卵協力」を懇願された年収1500万円42歳の1児の父が「月1回の不倫妊活」を大後悔…いま増えている「托卵女子」のヤバすぎる実態』>