生きる知恵

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スナック、キャバクラ、ガールズバー、風俗店などは、なぜ他の場より客の質が悪いのか

 さて、みんなは普段、世間の場でどのような所によく足を運ぶだろうか。スーパー?レストラン?本屋?病院?ネットカフェ?動物園?英会話教室?・・・まあとにかく、世間には数多くの人が集まる場がある。

 そして、それらにはそれぞれ属性がある。規模はどの程度なのか、その場を提供するのにどんな準備がされているのか、どんな人が集まりやすいのか、人のどんな心理状態や行動を誘発しやすいのか、それぞれに特徴がある。そして、多くは場所ごとに独自のルール、決まり事がある。

 その中でも今日は、「スナック、キャバクラ、ガールズバー、風俗店など」を取り上げる。主に男性が多く利用する大人向けのサービス提供の場と包括できるものだが、これらは種類や呼び方、詳細サービス内容はそれぞれ多岐に渡って異なるのだが、便宜上この記事では「スナック、キャバクラ、ガールズバー、風俗店など」と4つまとめて表記する。

 なぜ「スナック、キャバクラ、ガールズバー、風俗店など」を今回取り上げようと思ったかというと、世間の数多くの場の中でも、はっきり言ってこれらの場は、質の悪い人間が特に集まりやすい場だからだ。かといってスナックやキャバクラなどが全て悪いと決めつけるということではなく、場の属性の特徴により、質の悪い人間が集まりやすいというだけの話である。

 例えば、図書館は基本的に静かに読書や勉強をする質の良い人が多く集まるが、たまには、大声で騒いだりする質の悪い人も来ることがある。それに対し、スナックやガールズバーなどは、店員や周囲の客に迷惑をかけるような質の悪い客は図書館よりも比率は多いものの、きちんとルールを守って利用する人が多数派だ。そういう統計的な面も含んだ話である。

 “質が悪い”ということを「スナック、キャバクラ、ガールズバー、風俗店など」に絞ってもう少し分析すると、こういう属性の場は、『スタッフ(多くの場合女性)が、お客を良い気分にさせるために作り上げている空間』という特徴がある。これを元にすると、「ワガママを聞いてほしい」という根底感情の大きい人が集まる確率が増加する。(あるいは、一時的にそういう感情が増幅している人が集まりやすくなる)

 「ワガママを聞いてほしい」という感情を生み出す人間の願望は、「チヤホヤされたい」「楽しい経験をしたい」「孤独を感じたくない」などの欲求が根源にある。

 これらの欲求というのは、人間が持つ欲求や感情の中でも、特にコントロールが難しい。なぜなら、こういう欲求や感情は、誰もが否定されたくない。そして、いくらでも無尽蔵に欲しくなる。だから、利用客は少しでも自分の思い通りにいかないことがあると文句を言いたくなり、トラブルも起こりやすい。

 スナック、キャバクラ、ガールズバー、風俗店などで働く人の苦労は、数あるサービス業の中でもおそらく最上位レベルだ。利用者が「チヤホヤされたい、楽しい経験をしたい」と大きな期待を持って訪れるそのエネルギーの大きさは、飲食店やスポーツジムやホテルや映画館などと比べたら比較にならないほど大きい。客として利用する人は、自分の欲求や感情が全て思い通りになると考えず、働く人の側の苦労を少しは想像することを忘れないでほしいと思う。

 そして、スナック、キャバクラ、ガールズバー、風俗店などを日常的に利用する人は、他のお店などを利用する際に一つ注意しなければならないことがある。それは、“許容してくれるワガママの分量のギャップ”だ。一体どういうことなのか、解説しよう。

 スナック、キャバクラ、ガールズバー、風俗店などは、上述したように『スタッフが、お客を良い気分にさせるために作り上げている空間』という特徴がある。これは何もスナック等に限らず、他の多くのお店なども当てはまるのだが、これらの場所は特にこの要素が強い。なので、「自分の欲求や感情を受け止めてもらえる、いくらでも発散していい」という感覚に慣れてしまい、注意しないと、他の場所でもそういう振る舞いを知らず知らずのうちにしてしまうことも起こり得る。

 そんな時に、『カスハラ』に該当するようなトラブルが起こる。下ネタを言っても話に乗ってくれたり、過去の自慢話をして「すごいねえ」と笑顔で聞いてくれるような高度なサービスは、他のほとんどの場所では通用しない。それらは、スナック、キャバクラ、ガールズバー、風俗店などでしか通用しない常識だ。

 逆の視点で考えると、普段スナックやキャバクラなどに足を運ばない人、そういった場所で働かない人が、スナックやキャバクラなどに足を運んだりそこで働いたりすると、客層の質のギャップに驚くこともあるだろう。

 現代は、カスハラなどの言葉に代表されるように、サービス業などの場で多くのトラブルが多発している。人間の様々な感情を知った上で現実を俯瞰して見ると、思わぬヒントや対策に繋がることもあるだろう。

(作・イキルちえ)

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