さて、みんなは普段どんな文章、書物、記事を読むことが多いだろうか。言語、文字を扱うことのできる人間は、知的生物として他の生き物とは一線を画す特徴を有している。生きる上で、言葉が生み出す知恵、知識を身に付けて生かしていくことは、現代人では必須だ。
そんな中で、人生の大きな節目に当たる結婚、婚活においても実に様々な内容の記事が世に出回っているが、中には著しく質が低いものも存在する。そういった類のものを見極めることができれば、必然的に有意義なものだけを上手く選択して良い結婚に生かすことができる。
では、婚活の参考にならずに著しく質の低い記事とはどういったものだろうか。一つ代表的なものとして挙げられるのは、“女性婚活ライターが書くポエム記事”である。なぜこのような記事が参考にならず、真に受けてはならないのだろうか。
理由としては、まずこういった記事を書いている本人が、長期間婚活をしていて失敗を重ね続けて成婚できない経験をしている、いわば婚活当事者であることが多いことだ。(視点の一つとして、婚活のプロというのは、長期間婚活をしている人ではなく、短期間で成婚して良い結婚生活をしている人のことだ)なおかつ、何事も成果を出すためには、成功に至るまでの過程を論理的に分析して、その内容を実践できるように構造化することが基本だ。その構造化したものを文字に起こしたものが、文章(記事、書物、冊子、文献・・・)である。
しかしポエムというのは、感情や思考を伝える文学なので、“実践的に婚活に生かす”という内容がそもそも含まれていない。もっとざっくりいえば、多数の女性婚活ライターのポエム記事というのは、いわば婚活に失敗して内面の感情のみをテキスト化しているものなので(しかも大半は相手男性に対するグチのみで終始する)成婚を目指す人には何の役にも立たないのが実情だ。
実際のポエム記事の例としては、以下のようなものになる。なお当記事では、実在の女性婚活ライターのポエム記事の事例紹介はしないものとする。賢い読者のみんななら、どういったものがそのようなポエム記事なのかは読めば判断できると思うからだ。以下はあくまでも当ブログ作者が例として簡単に作成したものだ。
私は今日も寒空の中、理想の男性を求めて婚活パーティーに足を運ぶ。そこで会ったAさん(35歳)、商社に勤めていて、スラッと背が高く、一見おおらかで雰囲気の素敵な人。でも、しゃべり方が何となくぎこちない。ポンポン弾むような会話ができなくて、次の一言を発する前に「えっと、、〇〇さんは」こんな間ができちゃうのだ。結婚したら上手くコミュニケーションを取れるんだろうか。私は少し不安も感じたけど、でもこんな素敵で高収入な人はなかなかいない。周りを見渡すと、ヨレたシャツを着ている人とかチー牛っぽい人ばっかりだし・・・Aさんのゲットを目指して奮起せねば!
私はとびっきりの笑顔でAさんに愛想を振りまきつつ、何とか会話を続けた。Aさんは話し方にクセはあるけど、しゃべり下手ではなかった。いや、むしろ・・・すごく細かく、特に私の家事スキルを聞いてくる。
「家事はどの位できますか?」「料理はどの位できますか?」「何の料理が得意ですか?」「洗濯は週何回位やりますか?」「ちゃんとシワが付かないように干すように心がけてますか?」
聞くことが細かい。おおらかな感じの人なのに、実は細かいこだわりが強い人かも・・・。結局今日のパーティーでまともに話せた人はこの人だけ。「また会いませんか」って言われたけどやんわり断った。今日かなり遠くまで来たのに、その成果がたったこれだけ?本当悲しくなってくる。私は今日も一人で、寒空の中家路に着いた。
このような具合である。このような婚活記事を見たことがある人はたくさんいるだろう。はっきり言って、とてもプロのレベルの文章ではない。
では、このようなポエム記事を婚活に苦戦している人が読むと、どういう心理状態になるだろうか?これは、冷静に自己と向き合う視点がないまま負の感情がテキスト化されているので、婚活当事者の読者にとっては『同じ質の負の感情』が大きく刺激される。それと同時に、状況が整理できないまま、“自分のイメージ”“理想”だけが取り残されるままになるので、『思い通りにいかないという苛立ち』も増幅する作用が非常に強くなるのだ。さらに、自分と似たような経験の内容のものを読むと、『傷の舐めあい』『現実逃避』のような状態になり、冷静な考え方ができなくなることも多い。
婚活というのは、自らの人間性、感情、生き様を丸ごとお見合い相手に見せることになるので、「負の感情」「思い通りにいかないという苛立ち」などは、最も避けなければならないものだ。
あと一つ付け加えると、世の中には、特に資格やスキルがなくても、自分が名乗るだけで肩書を付けることができてしまう職業というものが多数ある。婚活ライターもそうだし、現状(2024年現在)では、婚活カウンセラー、恋愛アドバイザーなどもそうである。そういった面も頭に入れておくことも大切だろう。
(作・イキルちえ)
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