さて、みんなは普段、生活にどの程度お金をかけているだろうか。住まい、年齢、仕事、家族構成などによって、生活費は人それぞれ異なるだろう。今日の記事は、よく話題になる「奢り奢られ問題」に関するものだ。恋愛、婚活どちらの場面においても参考になるようまとめているので、是非最後まで読んでみてくれ。
奢り奢られ問題の論争の焦点としては、まず「女性は美容やファッションなどにお金がかかるので、その分デート代は男性に出してほしい」というもの。これに対し、「男性も同じように女性との交際にはお金がかかっているのだから、その理屈はおかしい」という反論。この意見の衝突が主な論争になる場合が多い。
しかしこの問題は、とてつもなくシンプルで、なおかつ非常にくだらない言い争いだ。まず前提としては、以下の二つがある。
①大人になれば、自分にかかるお金は自分で出して管理するのが当たり前。無条件に自分にお金を出してくれるのは子どもの時まで。
②奢り奢られ問題のような「お金はどちらが出すべき」のような話題が出てくるようになったのは、人々がある程度経済的に安定して暮らせるようになった昭和中期頃から。つまり、生活が豊かになったが故の贅沢な論争であること。
さらに、あえて海外の事例もざっくり挙げておくと、ドイツなどの男女平等が成熟している国では、奢り奢られ問題のようなことはほとんど起こらない。自分にかかる費用は自分が出すのは当たり前という価値観が確立されているからだ。
それでは、「女性は美容やファッションなどにお金がかかるので、その分デート代は男性に出してほしい」という言い分は、正当なのだろうか?
これは、全く正当にならない理由だ。それはなぜか?
“ある目的のために”→“何にどれだけの費用をかける”
この言い方、価値の付け方は、本人次第でいくらでも動機付けができてしまうからだ。
※異性とデートをするために
①高価な服とカバンと靴と財布を買った。
②デート場所を調べ、下見をするために、パソコンとスマホと雑誌と地図とドローンを買った。
③デートで美術館に行く際、お相手に美術館をより楽しんでもらうために、高価な壺と絵画と、美術品の解説書を買った。
※健康な体になるために
①1年分のサプリメントを買って毎日摂取した。
②健康器具を買った。
③マッサージと整体に毎日通った。
※デート時の移動をスムーズにするために
①高価な車を買い、高額な費用をかけてメンテナンスをした。
②お金をかけてハイヤーと契約をした。
③高価なローラーシューズを買った。
これらのように、ある目的(この場合では異性とのデートやお見合い)のために、“何にどれだけお金をかける”の行動は、どんなにバカバカしいことであっても本人の価値観次第で何でもありになってしまうのだ。異性とのデートには、どんなことにお金をかけて準備するのが正しいのかという価値観も人それぞれなので、なおさらそうなってしまう。
極端にいえば、「私はデートで相手に満足してもらうために、健康で良い体を維持しなければならない。そのためには、しっかり体を休ませて健康でいるために、良い住まいと高級ベッドを用意する必要がある。そのために、8千万円の新築の家と50万円の高級ベッドを買った。私はこれだけデートのためにお金をかけているんだから、デート代はあなたが出して」
こんな物言いもまかり通ってしまうのである。
そういうわけで、「女性は美容やファッションなどにお金がかかるので、その分デート代は男性に出してほしい」は、最初から通用しない話なのがわかりきっている。結局、人に会う際のTPOをわきまえる服装であれば充分という前提に収まる話で、それだけであれば男女共普段の自己管理の範疇の話だ。
一応補足するが、例えば男性がデート相手の女性に対して「当日はこういう服装で、こういうメイクをしてデートに来てくれ」と要求して、新しく服などを購入する必要が生じたら、デート代を男性が負担するのは正当だ。しかし、交際する前にそんな要求をする男性はほとんどいないだろう。
奢り奢られ問題の結論としては、
・「女性は美容やファッションなどにお金がかかるので、その分デート代は男性に出してほしい」という要求は、かけるお金に対する動機付けは自己都合でいくらでもできるので成り立たない話。
・自分にかかるお金は自分で出すのが大人としての常識。
これでまとまることになる。
最後におまけを二つ記載しておこう。まず、以下URLはyahoo知恵袋の投稿の一つなのだが、デートに対しての認識というものは、人それぞれ異なる。この投稿は、「女性は男性とデートをすればお金をもらえる」と本気で考えているというぶっ飛んだ事例だ。
<参照元:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12157983707?sort=1>
もう一つ、以下のWEBサイトは、本記事掲載日の2024年7月16日時点ではすでに閲覧できなくなっている婚活系のものである。
この記事を要約すると、主に以下のことが記されている。
・女性は、婚活時には奢ってもらうべき
・女性は、結婚後は養ってもらった方が助かる
・女性から誘ったデートで奢ってもらうのは難しいので、デートは男性から誘わせるようにする。そうすればスムーズに奢ってもらえる
・会計の時には女性は財布を一切出さないこと
・お礼をちゃんと言えば確実に奢ってもらえる
・会計で女性が払う素振りを見せると男性はそれに甘えるので、デート代は絶対男性が払うべきという態度を徹底すること
・小銭等の少額補填をお願いされた場合も「ありません」と断るべき
まともな大人は、「アホか・・・」とあきれるしかないだろう。残念ながら、世の中の情報の数が多い分、まともでない情報もたくさんある。
言葉・物事の解釈や価値観は、人それぞれ異なるということが、人間のあらゆるトラブルやすれ違いの原因になる。奢り奢られ問題のようにお金が絡むとなおさらだ。恋愛や婚活で異性と会い、デートをする場は、新たな出会いの貴重な場だ。くだらない価値観やすれ違いで人生をムダにしないようにしたいものだ。
(作・イキルちえ)
こちらも合わせてどうぞ→<このブログの紹介>