生きる知恵

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マッチングアプリですぐ会いたがる男性の心理

 さて、みんなはアッチングプリで異性と会う場合、早くお相手に会いたいだろうか。それとも、会うまでに時間をかけたいだろうか。マッチングアプリは様々な問題がありながらも世間に浸透しているが、女性側の意見や各種情報などでは、「すぐ会いたがる男はヤリモク」と言われることが多い。会うまでに時間をかけたい人にとっては、なぜすぐ会いたがるのか理由がわからず、疑問に思うことだろう。今日はそのことについて解説していく記事である。

 この記事に限らずだが、専門的視点も取り入れて分析した男女の特徴、社会背景も鑑みた上で練って記載しているので、よかったら最後まで読んでみてくれ。マッチングアプリを使わない人にとっても、男女の考えの違いを理解して実生活に役立つことと思う。

 まず、ざっくりマッチングアプリについての現状を整理しよう。

 マッチングアプリは恋愛や婚活をするために異性と出会う場を提供しているオンラインツールだが、裏切り行為の常態化、プロフィールの詐称し放題、男性だけに過度の料金負担がかかる男性差別、犯罪の温床等、問題が山積みである。さらに主に男性向けの恋愛サイトなどでは、「こう接したら女にヤリモクと思われるので、こうアプローチしたら良い」など、様々な指南をしているものが多数ある。

 では実際、「すぐ会いたがる男はヤリモク」というのは本当なのだろうか?

 これは、“半分正解で、半分不正解”と言える。残念ながら、世の中には女性のことを人間扱いせず、自らの性欲を満たすことしか考えていない愚かな男性も多数いる。そして現状のマッチングアプリは、男性にとっては外見が良くスペックの高い人のみが遊び放題で、ほとんどの一般男性にとっては活用できない不均衡さが生じている。そのため、ヤリモク男性が目立つようになってしまうのだ。

 さらに、この点について補足が二点ある。

 一つは、「なぜヤリモク男性が発生するのか」という部分を正しく見る必要がある。この理由として、「マッチングアプリで会って、その日にすぐホテルに付いて行って体の関係を持つ」女性が、それなりの割合存在するということだ。そもそもマッチングアプリは異性としての出会いの場なのだから、人間の本能としてお互いに「この人いいな」と感じたら、すぐ肉体関係を持つことは何ら不思議なことではない。

 もう一つは、どの範囲まで「ヤリモク」と定義されるのかという部分だ。マッチングアプリで異性と会い、その人がとても好みで惹かれたら、それによって「この人とセックスをしてみたい」と感じることは誰にでもある。例え会った初日であったとしても、お相手女性をホテルに誘うことは充分に考えられるわけで、実際によく起こっている出来事だ。

 このケースは、実際に会ってみて相手が魅力的だったから「セックスしたい」と感じたという流れなので、厳密には、最初から体の関係目当てというヤリモクの範疇には入らない。異性として惹かれてアプローチした、ということに過ぎない。ただ、ネット上の意見などでは、こういうケースもヤリモクとしてカウントされていることが多い。

 そして、女性なら誰でもいいからセックスしたいと考えるようなケダモノ的発想の男性というのは、現実にはごく少数である。

 

 ここまではヤリモク男性が発生する現状を解説したが、ここから先は、心理及び社会背景も考慮した上で解説する。ここから先が内容的にはより重要だ。

 まず知っておく必要があるのは、マッチングアプリで男性が置かれている現状だ。簡単に言うと、“戦場”“弱肉強食”である。

 山のようにライバルがいる中、プロフィール作成やメッセージなど工夫を凝らし、何とかライバル男性を蹴落とし、時間とお金を削りながら異性と会うために多大な労力を割いている。ごく一部のハイスペック男性を除いて、ほとんどの男性は戦場のような場で女性と会う努力をしているのだ。

 これは、実際の男性社会の構図と全く同じだ。幼少期から男の子の世界は、戦いそのものである。明朗さ、行動力、学力、運動能力、優れた外見、要領の良さなどがないと、友達同士で良い関係も築けないし、大人や社会からも評価されない。劣っている点は容赦なく指摘されるし、気を抜けばあっという間に学校や会社などの属している場の地位を失う。特に、異性からの評価は最もシビアだ。

 こういうシビアな生きる場において、男性にとっては何が重要なのか。

 それは“結果”である。社会的価値という広義な指標において、男性は結果を出さなければ何も評価されない。学歴、仕事、そして恋愛、全てにおいて、男性はこういう価値観にさらされている。これはおそらく、大多数の女性にとって想像するのは難しく、想像できても実体験のせいぜい1%程度だ。(男性が出産の辛さを想像しても、実際の辛さの1%程度なのと同じだ)

 そして、大多数の女性が男性を選ぶ際、外見、学歴、仕事内容及び収入を重視する点も、まさに男性に“結果”を求めることを証明している。

 これらを踏まえて、マッチングアプリにおいて男性は、どのような振る舞いを選択するのか。せざるを得ないのかを考えてみよう。これは至って簡単なことだ。

 「すぐに結果につながる行動」を取らなければならなくなる。

 ここで言う結果とは、“お相手女性と会う”“交際する”“セックスする”この三点だ。実際の所、悠長に時間をかけていたら、他の男性にあっという間に取られてしまう。結果を出すために迅速に行動しなければならないことは、ほとんどの男性が知っている。そうしなければ社会で生き残れないからだ。

 マッチングしてから、早い段階で「会いましょう」と言ってきたり、会ったその日のうちにホテルに誘われたりするエピソードは日本全国に毎日多数ある。それには、こういう背景があるのだ。加えて、マッチングアプリのほとんどは、男性は有料で女性はほぼ無料だ。男性にとってマッチングアプリとは、女性と会う等の結果を出せなかったら、時間とお金をビニール袋に詰めてたき火に放り込む行為と同じなのだ。

 

 ここで、女性側の視点からも解説しておこう。女性にとって、恋愛は“過程”を重視する傾向にある。交際に至るまでの感情の交流、メッセージのやり取りなどで、信頼感を深めていく。それにより気持ちが盛り上がっていくものだ。もちろん個人差はあるが、一般的には男性よりも女性の方が、異性を好きになるまで時間がかかることが多い。

 しかし残念ながら、この“恋愛過程のドキドキ感”は、ほとんどの男性にとって重要ではない。はっきり言うと、多くの男性は、お相手女性との関係のドキドキ感に沿って演技をしているのだ。(この演技は無意識レベルでとても自然に行われることも多々ある)

 マッチングアプリ登録者数は、ほとんどのアプリで女性の方が数が少なく、選べる側にある。そして料金もほぼ無料なので、すぐ結果を出さなければならないプレッシャーも男性よりはるかに少ない。さらに、“良い遺伝子を残したい”という本能により、交際や性行為について女性はより慎重になる点も大きく関係している。

 このように、男女で全く置かれている状況が違うのだ。この違いが、女性から見て「ヤリモク」という概念を生んでいるのである。現状のほとんどのマッチングアプリは、この男女の違いを全く考慮せずに作られているため、日々トラブルやすれ違いが起こっている。

 

 まとめに向けて、できる限りの解決策を述べておこう。

 マッチングアプリは、全くの他人同士が出会う場だ。最初はお互いのことが何もわからないのは自然なことである。そのため、相手と対面した時、なるべく相手の立場に立った考えをすることが重要だ。

「この男性は、私と会う前にどれだけ時間とお金をかけて戦って、この日を迎えたんだろう」

「この女性は、今まで恋愛でイヤな思いをしていないかな。どう接したら安心するだろうか」

などのように、少しでもお相手の苦労に寄り添う姿勢を見せることだ。こういう姿勢は必ず、大きな信頼関係構築に繋がる。相手の気持ちに寄り添わず、自分の欲求だけを押し通すのは言語道断だ。

 そして、お互い意気統合すれば、その日のうちに肉体関係を持つのも悪いことではない。恋愛はお互いの気持ちが第一だからだ。

(ただし近年は、不同意性交罪など、新たなややこしい問題も発生している。これについてはいつか別記事で取り上げる可能性もある)

 

 最後におまけを記述しておこう。

 読者のみんなは、三沢光晴という人物をご存じだろうか。全日本プロレスやプロレスリングNOAHなどで活躍したプロレスラーで、数々のタイトルを手にした超名選手だ。優れた人柄と、人の心を打つ精神力の持ち主で、今でも語り継がれているスポーツ選手だ。残念ながら三沢氏は2009年に享年46歳で亡くなっているのだが、人と信頼関係を築くコツとして、生前に著作の中で二つ方法を挙げている。

 一つは、“一緒に酒を飲み、本音を語り合う”こと。もう一つ、相手が女性の場合は“セックスをすること”を挙げている。セックスが一番、お互いの人柄を理解できるものであり、まず最初にセックスをした上で、その後様々な経験を交際の中で築いていくという持論を述べている。

 三沢氏は数多くのスポーツの偉人の中でも、トップレベルに入る人物だ。そして、特に女性ファンが多く、現役時代の全盛期は、初代タイガーマスクを凌ぐほどの人気があったという。そういう偉人がセックスの重要性をこのように語っていることは、恋愛をはじめとした人間関係構築のヒントになり得るものだ。

 「マッチングアプリですぐ会いたがる男はヤリモク」というのは、“半分正解で、半分不正解”だ。一つの言葉、価値観だけで決めつけるのではなく、相手と向き合い、コミュニケーションを取ることが何より大切だ。

(作・イキルちえ)

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