生きる知恵

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ツイッター(X)で婚活情報を集める時に気をつけること

 さて、みんなは普段ツイッター(現X)をやっているだろうか。SNSが世間に定着している現代だが、ツイッターは日本で最も利用者が多いSNSである。(2024年現在)

 そして、ツイッターで婚活をしている人も含め、婚活に関する情報収集やグチのはけ口として利用している人も非常に数が多い。しかしツイッターで婚活情報を集める際は、注意しなければならないことも多数ある。今日はそのことを多角的に記述する記事である。

 今回の記事はそこそこの時間をかけて分析したので、かなり長い。内容としては、ツイッターや婚活に限った話ではなく、現代人としてネットやSNSを利用する上で心がけることというネットリテラシーの観点が中核になる。婚活に関わっていない人にも役立つ内容としてまとめているので、最後までお読みいただければ嬉しい。

 なお、ツイッターの現在の名称はXであるが、現状ではツイッターという名称の方が世間ではまだ馴染んでいる状態なので、当記事でもツイッターと表記して記載する。紹介するツイートやリプライについては、読みやすさを考慮して、内容は変えずに語尾や句読点の使い方などを修正している箇所がある旨ご了承いただきたい。それでは本題だ。

 

 まず最初に、大切なことを念頭に置かなければならない。それは、

「ツイッターはどんな特徴があり、どんな影響を及ぼすのか」

「普段の人間同士のコミュニケーションとどう違うのか」

ということを再確認することだ。情報を集めることは大切なことだが、ツイッターやSNSは特殊な特徴があり、注意点もたくさんある。

 ツイッターの大きな特徴・・・そのうちの一つを表すとこうだ。

『人の内面にあるグチやストレスを、息を吐くようにぶつけることができてしまう』

 婚活に関するツイートは、この傾向が特に顕著だ。

 ツイッターは大半の人が匿名アカウントで、簡単に情報発信ができる。そして、他者から共感や批判の意見(リプライ)が返ってくるのもそれほど難しくない。

 さらに日本人の特性として、“同じ思考を持つ人同士の繋がりが強くなる”傾向が、ツイッターでは特に強化される。例えば、「あの芸能人あんな問題起こしてヒドい奴だ」というツイートが流れたとして、これに元々同じ思考を持つ人(つながっている人同士)が、「そうだそうだ」と賛同したりする。こういったことはツイッターでは日常茶飯事だ。

 こういった特徴があるとどのような影響があるのか。

・間違った内容でも、賛同する人が多く集まると、それが正しいかのような錯覚を起こす

・視点の異なる意見を受け入れられなくなり、視野が狭まって判断能力を鈍らせる

 こういう状態に陥りやすくなる。これは婚活に限らず、あらゆる分野の意見交換で常時起こっていることだ。群衆心理に加えて、同じ考えを持つ人同士ならではの『快感』『傷の舐めあい』などが極めて起こりやすいのがツイッターなのだ。

 これらを踏まえて、具体例を紹介しよう。

 

 記事を進めるにあたり、以下のツイートを元に分析する。これは、山ほどある婚活当事者のツイートのうちの一つで、内容が伝わりやすく、適度なボリュームなので本記事で採用する。

<参照元:https://twitter.com/oMbNTZhrU8yzscP/status/1764151850591543462>

 このツイート主は31歳の女性で、それなりに長い期間婚活をしているようだ。このツイート主が以下のようなツイートを発信し、それに対していくつかのリプライが付いた。

今度からマッチングする人徹底しよう。以下の条件に絞る。

・生理的に無理でない顔

・身長自分より5センチ以上高い

・デブではない

身長と体型に関してはいくらでも詐欺できるから、一回会ってアウトだったら2回目は会わないを徹底しよう。性格良い人だからと会い続けるとこんなことになるし。

(※こんなこと、という箇所は、「時間を無駄に消耗して婚活が長引く」という意味を指していることが、当人のツイートやリプライからわかる)

 これに付いたリプライは(ツイート内容に関係ないものや、お礼一言などのごく短文を除き)以下のようになる。これを読んで、勘の良い人はすぐに気づくはずだ。明らかに良い結婚には結びつかない助言のようなものが多数紛れ込んでいる。ここはあえて、リプライ内容によってテキスト文字色を分けて記載する。さらに、カッコ内のいいね数にも注目してほしい。(集計は2024年3月4日時点)

①時間は大事よ。(いいね1)

②アプリだと顔で選ぶより性格で選ぶ方が遥かに難しいですしね。(いいね1)

③自分の中でしっかりと基準を設けるって大事ですね!性格良くても見た目を受け入れることができていないとなかなか一緒にいることって難しいですからね。基準に達していない人との時間はなくして、基準以上の人に多く時間を使う方が有意義ですね。(いいね0)

④余りに沢山の方々と会うのは難しいかもしれません。ある程度1~2人にしてじっくりお付き合いされないと結果は出ないと思います。条件や外見だけで広く浅くでなく相性とか見てじっくりお付き合いされて金銭感覚とか内面みるのが大事ですよ。(いいね1)

⑤奢って貰ったら何処かでお返ししなきゃって考えもしなくて大丈夫ですよ。尽くす女性って地雷男を引き寄せやすいです。まともな男性は好きな女性がニコニコしてくれてるだけで満足するので男の甲斐性ってやつです。(いいね12)

⑥最近太っちゃって(プロフ写真は3年前)みたいなやつもよくいるんで注意です。(いいね4)

⑦自分を見つめ直すことから始めましょう。(いいね0)

⑧今まで会った人は3桁越えてるみたいだけど、100人いたら1,2人は少なくても良い人いると思うけどね。人の良い所見えない残念な人って印象。だから無理なんじゃないかな。自分が悪いって思ってなさそうなの本気で尊敬する。(いいね0)

⑨見た目大事です。(いいね1)

⑩私も中身が大事!って思ってもやっぱり生理的に無理なら、頑張るのはしんどくなっちゃうなと思いました。(いいね1)

⑪見た目は努力で変わるけど、中身を変えるのは難しい。(いいね0)

⑫デブってどこからデブですか?またデブと体格がいいはまた違うのですか?(いいね0)

⑬それはかなり素晴らしい。デブはだいたい性格悪いからね。(いいね1)

⑭結局ダメですね。あなた結婚する気ゼロなのよ。本当は結婚なんてしたくない。自分勝手に生きていきたいだけなのよ。(いいね0)

⑮人の魅力は会ってみないと分からないので、どんどん会うで打席を増やすで正解だと思う。(いいね0)

⑯1つ嫌な事があってアウトにするなら誰とも合わないだろうね。(いいね0)

 

 青字は、客観的に見て正しく、成婚に近づく建設的な意見。

 赤字は、ツイッターならではの傷の舐めあい、群集心理が関わる意見で、成婚に近づく建設的な意見とはいえないものだ。さらに、赤の太文字は、他者を侮辱する意味合いもあり、正しい婚活から最もかけ離れている意見である。

(黒字は無判定)

 読者のみんなはどんな感想を持つだろうか。

 

 まずツイートの主文からは、「なかなか結婚できない。何回お相手と会っても上手くいかないので、会う機会を絞って無駄な時間を減らして婚活していく」という本人の考えが意思表示されている。絞る条件として、

・生理的に無理でない顔

・身長自分より5センチ以上高い

・デブではない

の三点を挙げている。

 婚活の方針について、このような方向性は何が問題なのか。

 “出会う機会自体を減らす=機会損失でさらに結婚が遠ざかる”“絞る条件がほぼ外見要素で、結婚にはほとんど意味がないもの”この二点になるだろう。実際それを指摘し、もっと他の大切な点を挙げるリプライもいくつか付いている。④、⑦、⑪、⑮などがこれに当てはまる。

 本当に成婚に役立つ視点の意見は、残念ながらこの四つくらいだ。赤字で表記した他のリプライだが、まずは論外である。「奢って貰ったら何処かでお返ししなきゃとは考えなくて良い。まともな男性は好きな女性がニコニコしてくれてるだけで満足する」などの思考は、著しく常識感覚に欠けているのは明白だ。しかも、このリプライに12ものいいねが付いているのも特筆すべき点だ。これだけ常識感覚に欠けた意見に対し多数のいいねが付くという点は、ツイッターの“質の悪さ”が垣間見える所だ。

 「デブはだいたい性格悪い」というのは、ただの侮辱である。

 この他に、③、⑨、➉などは、同じ思考同士の傷の舐めあいの要素が入っている意見なのもおわかりいただけるだろう。

 この全体のやり取りを総括すると、全16個のリプライのうち、状況を正しく把握し、役に立つ助言をしているリプライは④、⑦、⑪、⑮の4つだけで、総リプライ数の25%ということになる。こう考えると、ツイッターで婚活関連の書き込みをしてリプライが付いたら、そのうちの75%は役に立たない意見で、参考になるのは25%程度というのは一定の目安になる。

 そして、こういうリプライの傾向は、他の婚活関連のツイートでも概ね同じような傾向が見られる。ツイッターで婚活に関する情報を集める時、

「自分が心地良い言葉を聞きたいだけの状態で、事実から目を逸らしていないか」

「視点の異なる意見を冷静に読んで生かすことができているか」

こういったことを本当に注意して利用することだ。

 

 この記事のまとめとして、最後に大事なことを記載しておこう。

 これは根本的な話になるのだが、そもそもこういう判断をする際、“何が正しくて、何が間違っているのか”をどう判断するのかということになる。何事も正解が一つというわけではないし、価値観は人それぞれだ。例えば、デート代は当然全額男性が出して、上から目線で相手を査定するのが正しい婚活だと本気で思っているような人も世の中にはいるのである。(これは当然間違い)

 婚活方法に関しての、あえて“正しい”という基準を考えるなら。

 これは、下記5つのキーワードで表しておこう。

『社会人としての常識』

『子どもの頃に{人を大切にすること}誰しもが教わったはず』

『自分が何をしてもらったら嬉しいか』

『自分がされてイヤなことは人にもしない』

『人間は一人では生きられない。生きるとはどういうことか』

 ツイッターは便利なものだが、正しく知恵を持って使わないとうまくコントロールできない。自分でコントロールできないと、冷静さを失い、傲慢さや攻撃性など、人間の悪い面が簡単に表出する。

 婚活、結婚は、傲慢な気持ちでふざけてやるものではないのだ。相手の人生も共に関わってくるのが結婚だからだ。今婚活をしている人は、そのことを肝に銘じてほしい。

(作・イキルちえ)

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